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側壁測定技術は
32nmにも通用する

[2007年05月号]

微細化がこのまま進んでも、AFM、CD-SEM、スキャトロメトリなどの測定技術は測定要求を満たし続けることができそうだ。


By Alexander E. Braun
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 製造プロセスは32nmに向かって微細化を継続しているが、CD-SEM、スキャトロメトリ、原子間力顕微鏡(AFM)やその他の従来の測定方法は、厳しい測定要求に対応する性能を提供し続けられるのかという懸念がある。CD-SEMとスキャトロメトリは32nmノードで、AFMは25nm以下でもCDを計測することができると言われているが、それ以降のノードで発生する要求に対応するには継続的な改善が必要だ。

プロファイルと側壁の角度
 米Timbre Technologies社のマーケティング担当ディレクターBob Monteverde氏は、ODP(Optical Digital Profilo-metry)の大きなメリットとは、単にトップダウンやCD測定だけでなくプロファイル自体の測定ができることであると考える。彼は、「ODPは構造の底辺やトップにあるCDや側壁の形状まで完璧にプロファイルを測定できる」という。実際のラインではこれまでプロファイル形状測定基準を、統計的プロセス制御(SPC:Statistical Process Control)やAPC(Advanced Process Control)で使用するため単一CD値を使用してきた。しかし、最先端プロセスではプロファイル形状の制御はますます不可欠となり、更なる側壁の情報が必要となっている。TimbreのシニアアプリケーションエンジニアSerguei Komarov氏は、複雑な三次元アスペクト比を持ったアプリケーションに取り組んでいる。角度の小さな変化が結果として高アスペクト比を伴う大きな寸法変化へと繋がるため、彼は側壁アングル(SWA:Sidewall Angle)測定は重要であると考えている。 「破壊的な断面測定は製造ラインでは通用しないし、トップダウン方式CD-SEMでは側壁の確実な情報を提供できない。ODPは側壁形状測定を正しく行う。拡張性に関して言うと、32nmでは高アスペクト比の三次元アプリケーションにおいても性能を示すことができるだろう(図1)」。


図1 製造ラインではこれまでプロファイル形状測定基準を、SPCやAPCで使用するため単一CDの値に使用してきた。最先端プロセスではプロファイル形状の制御はますます不可欠となり、更なる側壁の情報が必要である。破壊的な断面測定からプロファイル情報を得る代わりに、ODPは非破壊的にプロファイル情報をもたらす
(提供:米Timbre Technologies社 ISSM 2006から)

 スキャトロメトリは周期的格子を使っているため、高密度パターンで最も性能を発揮する。リソグラフィは次第に狭くなっていく線幅で高密度なパターンを形成せざるをえないため、ODPにおける進歩は、ダブルパターニングなどの最新リソグラフィ技術に精密な測定をもたらす。リソグラフィのプロセス制御にとって、SWAは重要な指標である。以前は、リソグラフィのプロセス制御でCD測定を使用しており、CDが測定され、スキャナの照射線量はCDが適切な大きさになるよう調整されていた。ODPはCDをSWA測定の両方が可能であり、照射線量と焦点の両方を監視する性能を持つ。

 32nmへの対応は困難である。三次元トランジスタでは横方向だった構造が垂直になり、プロファイルの測定が不可欠となる。右端から左端の間の横方向の距離でゲートを表すことができなくなり、垂直壁に沿った距離を測定しなければならない。

 CD問題のオーバレイを変えるfinFETやダブルパターニング技術に従来のスケーリングが追いつくことができない45nmと32nmでは、プロファイル測定とSWAは横方向と垂直方向の測定間の関連性と同じである。これらが変化すればSWAを介して相互に影響を及ぼす。完全なプロファイル測定とこれらの測定基準がどのように相互影響を及ぼすか理解するためにはこれら2つの測定方法は切っても切れないものとなる。

ラフネスの問題
 側壁測定の主要な問題は、LER(Line Edge Roughness)とSWR (Side Wall Roughness)を調査する際に、再現性のある正確な方法を得ることでプロセス開発時間を削減するため、形状を特色付けることにある。米Veeco Instruments社の自動AFMシニアマーケティングディレクターであるDean Dawson氏は、「ゲート長が30nmまで低下するにしたがって、LERはCDバジェットの重要な部分となるため、特性化され、制御されなければならない」と語る。過剰なLWR(Line Width Roughness)はデバイス欠陥とCD測定に不確実性をもたらす可能性がある。さらに、Low-k材料のSWRも多孔性とCuエレクトロマイグレーション問題を克服するために特性化が要求される。

 45nmではCD-SEMとスキャトロメトリのバイアス問題に対応するためにクリティカルなパターンのプロファイル精度が必要となる。精度の高いプロファイル測定はスキャトロメトリモデルのキャリブレーションと標準モニタリングも兼ねており、安定した生産用の測定装置として使用することが可能である。LERやSWRなどの側壁測定は45nmプロセスには必要不可欠であり、プロセス制御モニターとして導入される可能性がある。

 最近の三次元AFMスキャニング技術の進歩と新しいCDフィンガープローブ設計は、高解像度で精密なプロファイル全体のSWRやLERの測定を可能にしている。LERは、解像度が制限されておりトップダウン測定のみとなるSEM技術によって計測されてきた。

 三次元AFM以前はSWRを測定する唯一の方法は、パターンに沿って水平にTEMを行うか、AFMでトレンチパターンの断面図を測定するかであった。どちらも費用と時間がかかり、プロセス開発の統計的基礎に欠けていた。さらに、3-D/AFMでは、アンダーカットパターンも含む精密なプロファイルとアングル測定を可能にしている。現在のCD測定システムにはバイアス問題があるため、プロファイル測定は重要である。

SWAとリソグラフィ
 近年、SWA制御はますます重要になってきている。米KLA Tencor社のマーケティングディレクターであるWayne McMillan氏は、「ゲートリソグラフィはSWA制御において最も重要な層である。例えば、標準的な45nmノードのロジックゲートにおいて、SWAに1°の変化があると結果として最終的ゲートCDをおよそ1nm変えてしまう。従ってSWAは変化が1°以内となるように制御されなければならない。スキャトロメトリ技術はコスト効果の高いSWA測定の生産使用を可能にする」と語る。

 SWA制御の抽出はプロファイル制御である。ほとんどの測定器はスキャトロメトリ技術によって生産ラインでプロファイルを測定し、制御している。現在生産を行っている一般的なアプリケーションはSTI(Shallow Trench Isolation)、スペーサ、ゲートくぼみエッチング、BEOL(Back End-of-Line)トレンチを含む。

 スペーサを使用してトランジスタの電気的特性を制御するのも複雑になってきている。現在は複数のスペーサがあり、それぞれの蒸着とエッチングがどこでインプラントが起こるかを決定する。製造ラインではデバイスの電気的性能を決定するため製造後に各スペーサを測定し、EOL(End-Of-Line)での性能を予測する。

 半導体メーカーはゲートの性能を向上させるために歪み技術と応力技術を採用している。具体的には完全形成ゲートの周りのリセス(くぼみ)をエッチングし、ゲートに歪みを加えるためにSiGeを使用している。McMillan氏は、「くぼみの寸法は最終的な電気的性能を決める主要な要因の1つである」という。標準の測定はアンダーカット(ゲートの下)、くぼみの深さやプロファイル形状を含む。トップダウンではアンダーカットを見ることはできない。CD-SEMはトップダウンしか見ることができないが、三次元AFMはアンダーカットも測定できることが明らかになった。

 多くの新デバイス構造ではホールやラインがエッチングされ、表面下で拡張されている。例えば、最先端のDRAMではトランジスタがSi表面の下にあり表面下で広がっているリセストランジスタを使用している。三次元の情報も必要であるが、スキャトロメトリは他とは異なりこれらのアプリケーションを可能にする。

赤外線に見出すもの

図2 トレンチアレイからの偏光反射を利用した側壁メタル膜厚測定。暗色の矢印は偏光の方向を表し、両方向の矢印は誘導電流の方向を示す。メタル膜厚は偏光反射データにより決定される
(提供:米Advanced Metrology System社)

 米Advanced Metrology Systems(AMS) 社はトレンチ側壁のメタル膜測定において赤外線測定方法に取り組んでいる。AMSの技術ディレクターMichael Gostein氏はいくつかのアプリケーションを考えている。「1つ目は、バリア膜がトレンチ側壁に蒸着されるCuダマシン工程である。このような側壁の厚さを測定するのは厄介だ。類似したもうひとつの問題は、ゲートがチャネルを包んでいるfinFETに関連している。メタルゲートが組み込まれると、側壁のメタル膜の厚さとその測定方法に関する問題が起こる」(図2)。

 AMS独自の方法では偏向赤外線ビームを使用し、トレンチの金属膜やその他の伝導膜を非破壊的に測定する。トレンチアレイを横切っている、またはそれに沿った有効電気抵抗の測定に類似している。例えば、トレンチアレイを横切る偏光では、電気抵抗はメサや下部にある厚いメタルに直列な薄い側壁に左右されるため、側壁厚が反射反応を支配している。

ゲートにノッチを入れる
 FEOLにおいて、製造ラインでは性能を向上させるためにポリシリコン構造のベースにノッチを入れるなど、新しいゲート構造に取り組んでいる。米FEI社半導体ファブグループ テクノロジストStacey Stone氏はこの問題に注目している。「これによってくぼみパターンが生まれるため、測定や製造可能性が極めて難しくなる」と述べる(図3)。


図3 従来のトップダウン測定技術では制御が困難なくぼみゲートプロファイルの一例。この種類の構造は、高精度でくぼみプロファイルを測定可能な定方法を必要とする
(提供:米FEI社)

 65nmにおいてもこれを行っている製造ラインでは、異常に繋がるプロセス制御の困難さに悩んでいる。Stone氏は、「この種類のパターンを制御できないという点において、特にCD-SEMなどのトップダウン測定法には課題がある」と語る。モデルが正しくデザインされた場合、スキャトロメトリにはチャンスがありそうだ。問題は、良いのか悪いのか変化があったのかどうかが明らかになったとしても、それが常に問題の起源であるとは限らない点である。従って、結局は、検証に断面測定のようなものを実施する、またはノッチのあるゲートに何が起こったのかを明らかにする必要があるということになる。

 BEOLプロファイル測定では、メタルラインとビアホールに関して、製造ラインでは、バリアとシード蒸着の膜の品質を上げるためにできるだけラインに傾斜を付けてきた。同様に、側壁にどれだけ傾斜をつけることができるかは、特定のプロセス層のピッチによって制限されている。ラインの傾斜が大きい場合スローププロファイルによる幅の縮小の問題が起こり、これは65nm、45nm、32nmへと微細になる。流れはトレンチとメタル層のプロファイルの垂直化へと向かっている。

 界面層(層間絶縁膜(IMD)とエッチストップ)の間にノッチを付けることで起こる問題は主にエッチングと洗浄工程の制御の問題である。この問題はエレクトロマイグレーションとデバイス寿命問題を明示する。これら既存のトップダウン方式での測定は困難であり、断面の情報が必要となる。

OCDの影響力
 米Nova Measuring Instruments社のCTO David Scheiner氏は、SWA測定はロードマップでCD測定ほど注目を集めていないという。彼は、「CD-SEMによる側壁アングル測定は高アスペクト比の課題を抱えているが、ほとんどの場合OCD(Optical CD)システムは45nmと32nmで完全なプロファイルを測定できる」と語る。

 SWAは2つの場面に測定されなければならない。1つ目は、ゲートとスペーサのパターニング時であり、ソース・ドレイン埋め込みと有効ゲート寸法の制御のために側壁を測定する。2つ目は、高速で信頼性のある焦点・露光マトリクスの測定が必要なリソグラフィおよびエッチングプロセスの開発段階だ。感度に影響を及ぼすパラメータは光学材料コントラストとパターン密度である。光学測定を使用するにあたっての主な課題は、ラインまたはホールの総密度が10%未満の孤立した周期構造にある。

 標準的なゲートアプリケーションでは光学側壁測定には技術的な障壁はない模様だ。密度が低い部分で感度上昇のためにSN比を上げる必要があるだろう。長期的なニーズとして、さらに高まる光学ソリューションの複雑性から逃れるためには、例えばX線波長へと移行するなどの段階的な飛躍が必要となる。

 寸法が微細化するにつれ、OCD測定技術の情報量増加の必要性も出てくる。システム強化のみでこれを達成するには大幅な開発が必要である。反対に、現在のプロセスでは可変多次元ジオメトリアプリケーションへと移行している。感度は十分あるか、アプリケーションに対して安定しているかどうかを把握するためにさまざまなOCDシステムによる感度分析が不可欠だ。プロセス制御のニーズがどのように対応されるかを予測するに当たって、高性能のシミュレーションが大事な役割を果たす。

 測定技術が直面する次の難関は複雑なデバイス構造でのダイ内測定である。SWA測定のニーズは、パラメータが多数存在する環境での複雑なジオメトリプロファイリングとモデリング、電磁場計算を伴う多面的な問題の一部に過ぎない。

その他のオプション
 米Rudolph Technologies 社新技術開発ディレクターGreg Wolf氏は、透過性の膜向けのOCD、メタルラインバリア膜向けピコ秒超音波、メタル向けにこれらの技術の収束を含め多数の側壁測定アプリケーションを検討している。スペーサのOCD測定では以前フラットテスト構造で得たときと同じ精度をもたらすことが課題だ。ゲート側壁スペーサに関して言うと、高性能トランジスタでは全ての膜が傾斜しており、角取りとテーパー付けの必要性があるため、側壁スペーサーにバルク材料がない。彼は、「我々はこれらの超薄側壁アプリケーションに向けてシステムを最適化してきた」と語る。

 メタルラインに関しては、Wolf氏は「ピコ秒超音波がある。このTHzバンド幅は薄膜から厚膜まで測定スパンのダイナミックレンジをもたらし、メタルライン形成に使用されたトレンチの側壁に蒸着したバリア膜測定を可能にする」と述べる。CMP(Chemical Mechanical Planarization)モジュールではピコ秒超音波はライン厚モニタリングに一般的に展開されているが、空洞トレンチやメタルライン側壁のバリア厚モニタリングも可能である。これらの測定では、高周波数は側壁特性、低周波数ではラインジオメトリをもたらす。

塗布現像装置からの視点

 塗布現像工程時のSWA測定は、塗布現像性能だけのスペックではなく、リソグラフィ全体のスペックとなるため重要だ。エッチング後のCDに影響を及ぼす。極めて高密度なパターンでもし焦点がスペックアウトしている場合、現像後のパターン倒れにも影響する。露光装置と下層膜の構成材料において焦点はSWA変化の根本原因である。東京エレクトロン(TEL)米国法人で製品プロダクトのシニアエンジニアAnita Viswanathan氏は、「孤立ラインパターンでは一目瞭然で、これらのほとんどが焦点ずれに対してとても敏感であるため、モニタリングには好都合」と語る。さらに「しかし、トラック側から見れば、レジスト厚が大幅にスペックアウトしていない限り、側壁アングルに影響しないはず」と述べた。

 トラック一体型のスキャトロメトリはこのデータを入手可能にする。特にくぼみプロファイルでSWAはCD-SEMからは入手困難だ。これは、製造ラインが最低限の時間で最適線量と焦点状況を決定して使用し、ウェーハをセルから出さずにすぐ調整を行うことができるようになる。

 65nmノードにおいて、装置組み込み型測定器は懸念となるピッチのSWAを特性化することが可能である。膜厚低下とともにスキャトロメトリの精度は下がり、ライン・スペース比はSN状況の悪化によって変化するが、45nmで何の問題も無いことがシミュレーションによって明らかになった。スキャトロメトリには光波長や偏光変化で対応できない障害はない。しかし、再現性スペックと感度を考慮する範囲においてSWA組み込み測定スペックが何であるのかは、32nmノードは未解決の問題である。この情報は焦点のフィードバックに役立つ情報になる。APCフィードバックに利用されるのか、異常モニターとして使用されるのかははっきりしていない。トラック側は32nmで悪化する焦点ずれの影響を考慮している。焦点ずれは高・低周波数どちらでもLWRを低下させる。LWRだけではなくパターン完全性の視点から問題は大きくなるだろう。

 TELのアプリケーションマネージャMerritt Funk氏は32nmに近づくにつれエッチングスペックのSWAの重要性に注目している。「BEOLにて、後に行われるシード層の塗布のためにもSWA 90%#176;以下を保つことが不可欠だ。SWAがウェーハ全体で90°以上にならないことを確実にするには、エッチング後のウェーハスペックは88~89°になる。90°に近ければ近いほど最適な伝導量が得られる。このアプリケーションのスキャトロメトリは最終エッチング後のプロファイルが90°を越えていないかをモニターし、フィードバックするのに最適だ。

 破壊的な検査方法は別として、まだ実用的ではない側壁測定方法がある。問題点はほとんどの破壊的方法は狭い範囲でしかサンプルを取らないため、何が起こっているかが測定によってわからない。構造内のどこか別の場所で起こっていることから側壁を推測する測定もあるが、薄膜全体において重大な測定技術問題である。データを得るにはシングルトレンチにてほぼポイントレベルの測定方法が必要だ。しかし、多数のデバイスで何が起こっているか優れた空間平均データをもたらすものも必要である。



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