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液浸リソグラフィで
ウェーハエッジ欠陥をモニタリング

Tuan Le
米Rudolph Technologies社
www.rudolphtech.com

[2007年06月号]

液浸リソグラフィに関連した欠陥は、レジストとトップコートの液浸相互作用で発生し、プロセス後には除去されるウェーハエッジがプロセスの歩留まりに大きな影響を及ぼす。液浸に固有の欠陥を対象にした自動エッジ検査装置が市場に登場してきた。


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 液浸リソグラフィ関連の欠陥検査用の自動エッジ検査装置が市場に投入されてきている。浸漬液の働きに関与する欠陥はレジストもしくはトップコートと液浸用液体との相互作用でおこり、プロセスで除去されるエッジは歩留まりに大きな影響を及ぼす。

 プロセスの歩留まりに対してウェーハエッジの影響が知られるようになってから、高速の自動エッジ検査装置市場が急速に拡大している。ある半導体メーカーは、エッジから発生するキラー欠陥は30%もしくはそれ以上であると見積っている。先端プロセスの開発時においても、エッジの欠陥が注目されている。新規プロセスの量産移行時には、注意深くモニターし管理する必要があるいくつかのエッジ固有の欠陥が発生しているようだ。新規プロセスの開発と認定において、詳細な評価能力と感度の高い検知能力が求められている。

 量産プロセスを管理する上で、高いスループットと広範囲にわたる欠陥を安定して自動分類できる量産対応の検査能力が投入されている。事例としては、液浸リソグラフィの導入により、液浸用液体と露光装置の相互作用が、いくつかの既知のエッジ固有の欠陥を引き起こすとされる。エッジ欠陥は概して直接歩留まりの損失を引き起こさないが、これらはしばしば、ウェーハのアクティブな領域のキラー欠陥の前兆となる。リアルタイムのエッジ検査がエッジ欠陥を検出することを可能にし、その原因を正しく修正し、それによって歩留まりへの影響を低減することができる。

自動エッジ検査
 エッジ検査技術は、レーザースキャニング方式かイメージベース方式の2つの基本アプローチのどちらかが採用されている。スキャニング技術は小さなスポットに焦点を合わせた単色の光源を使用し、エッジ領域をスキャンする。イメージを取得するため、もしくはスキャンした信号からイメージを構築するために検出した欠陥に戻る。対照的に、イメージベースの技術は、広帯域の光源を使用し、複数の撮像素子で検査対象領域をカバーし、連続した二次元画像を取得する。

 どのような量産ラインにおいても、欠陥検査技術に課せられる要求は、速度、感度、信頼性の高いデータ報告である。スキャンまたはイメージベースのどちらの技術に対しても、エッジ領域の欠陥検査は、エッジの複雑性、複数の曲がった形状により難しさが増大している。スキャン技術では,全領域(表面、ベベル、先端)から信号を取得するためにエッジ周辺で回転するスキャニングヘッドを持つことでこの問題を解決する。期待されるエッジの外形からくる大きな偏差、もしくは不正確なセンタリングからくるトラッキングの問題、本質的に遅い機械的なスキャニングプロセス、遅いシーケンシャルなデータの取得などに懸念がある。感度を上げるにはスポットサイズを小さくし、スキャン密度を上げる必要があり、結果としてデータ取得時間が長くなる。スキャンしたイメージは単色で、特に信号が相反した場合、複数の信号の解釈が難しくなる。


図1 イメージベースのエッジ検査は、エッジ領域特有の表面ダメージのインライン検査に必要な被写界深度と解像度を持つ

 暗視野でスキャンした欠陥の寸法のばらつきも、問題となる。最初に、スキャンによって作られた複数の近接する信号を、補間しなければならない。その場合得られた信号強度は、光源の波長、入射角度、集束角、欠陥の屈折率、欠陥がある下部膜の屈折率、欠陥の向きを含む独立した要因に影響される。これらの理由により、暗視野、もしくは広く分散した欠陥を検出する能力で、装置間の検査感度を比較することは誤解を招く恐れがある。量産の状況下では、暗視野もしくは分散していない欠陥を検出する装置の能力をもとに、検査感度を比較することは意味がある。典型的な量産ラインで、その他の提供される測定技術と欠陥との相関をとることができる。

 イメージベースのシステムは複数の撮像素子でエッジの湾曲の問題を解決することができる。そして光学系が必要とされる被写界深度を越えた十分な分解能を提供する。イメージベースの検査は1回の検査で完全にエッジ領域をカバーすることができ、300mmウェーハによる量産で80wph(1時間あたり80枚)以上のスループットを達成する。一般的な画像観察も可能で、オペレータもしくはイメージベースの分類エンジンで自動的に分類し、欠陥はすぐに確認される。明視野と暗視野両方のイメージが提供され、ウェーハエッジに沿った膜厚の変動に鈍感なカラーの情報が、広帯域の光源で画像により提供される (図1)。イメージベースのエッジ検査は複数の300mm工場で量産認定を得ている。


図2  イメージベースのエッジ検査アルゴリズムを基にしたデータプロセスフロー

 エッジ検査装置は、ウェーハのアクティブな領域の検査に使用するダイ間(die-to-die)比較を使うことはできない。それぞれが取得した欠陥フリーの表面を参照にしたモデルと原画像を比較する方法と、ユーザーが制御するパラメータによって欠陥を検出する方法がある。後者のアルゴリズムは、たとえばエッジのチッピングのような非常に大きい欠陥を検出する。最終的には、エッジゾーン、カラー、寸法、場所、形態などによって欠陥を自動的に分類する。欠陥の場所、それに相当するイメージを含む分類結果は、オフラインの欠陥レビューソフト、データ解析システム、SEMレビューステーションに転送することができる(図2)。

液浸リソグラフィの欠陥

図3  いくつかの原因が、液浸用液体の中の泡に影響を与える。

 液浸リソグラフィにおいて、液浸用液体が流れるスキャナーヘッドとウェーハの表面の相互作用によって新しい欠陥メカニズムが作られる。エッジ上では、微妙に切り立ったウェーハエッジまたは異なる塗膜層によって強い影響が与えられる。液浸特有の欠陥は泡、塗布膜のはがれ、飛沫、ステインそして残渣らが含まれる。

 ウェーハエッジは、液浸用液体の中で泡の形成に寄与する。泡は露光装置からのUV光をゆがめる凹面レンズの働きをし、ウェーハ上に円形の欠陥を残す。泡は、溶けたガスから来るもの、レジストからのアウトガス、表面のラフネス、表面の空洞に捉えられたガスなどが原因とされる。また、泡は、普通、液体の流れによって移動することができる。さらにエッジに近いところの表面状態を予測することは難しく、それは泡に対しても同様だ(図3)。

 2μm以下の寸法の泡は熱力学的に不安定であり、液体の中にすぐに溶けてしまう。しかし、いくつかの泡はUVが照射されると寸法が大きくなることが分かっている。2μm以上の泡は、長い生存期間を持ち、液体に溶ける前にパターンをゆがめてしまう。ウェーハ表面に近い泡は、境界での流体の状態により最大のダメージを引き起こし、動きが遅く、影に焦点があってしまう。新規の液浸液供給システムが設計されており、インラインの純水(DI)の脱ガス装置が溶けたガスの泡の発生を抑える。しかし、ウェーハ表面の状態によって引き起こされる泡は問題として残ったままだ。エッジ欠陥に対する検査やエッジ状態の制御といったことは、液浸リソグラフィでも必要となるだろう。

層間剥離

図4 動きの早いウェーハステージの効果と、液のながれとの組み合わせで起こる、ウェーハエッジ近傍の積み上げられた塗布膜の剥離

 液浸用液体と水により生成される流体力が、膜の剥離を引き起こす(図4)。さらに、トップコート材料はSiとの接着性が弱いことが知られている。もし下層のレジストが流れ出し、ウェーハエッジ近傍にあるSiコンタクトに入り、高速で動くステージが脆弱なトップコートを剥離させるのに十分な力を発生させると、トップコートは剥離されてしまう。これらの欠陥からの残渣が液浸用液体によって輸送され、ウェーハのアクティブな領域に再付着する。さらに液供給システムを汚染し、リソグラフィ工程を停止しなければならない状態を引き起こす。

 剥離したフレークは、その後のウェーハに影響を及ぼす。液浸用液体はウェーハステージ上にフレークを運び付着させ、あとでこのフレークが剥がれ、その後のウェーハの上にばらまかれる。ステージを絶え間なく濡らしたり乾かしたりすることにより残渣は、ウェーハ上にゆっくりと積み上げられる。

 トップコートで下部反射防止膜(BARC)上に位置するレジストを完全に被覆することで剥離を低減することが可能だ。この解決策として、BARCを除去する化学的なEBR(Edge Bead Removal)、レジストを取り除く光学的EBR、そしてその他のトップコートを除去する化学的EBRを行うことが必要となる。さらに、ウェーハの有効な領域を最大限にするため、EBR領域がエッジ先端から極端に広がらないようなプロセスを設定することが必要だ。膜を積み上げた各々の層のエッジと中心点が揃い、高精度なEBRプロセスが必要となる。

 従来のEBR測定は、一般的にはウェーハの4つのコーナーで、EBRラインからエッジまでの距離を顕微鏡で測定する手動のプロセスとなっている。たとえばベベル部がエッジ先端に対して簡単に間違いをおこさせ、EBRラインをウェーハで区別するのは難しい、EBRラインはウェーハ周辺では不連続である。そしてウェーハ当り4個の測定点は統計的には不十分であるため、これが手動のEBR測定の短所となる。

 イメージベースのエッジ検査は、パターン付とパターンなしの両方のウェーハに対して、自動で高解像度のEBR計測を実現することができる。ひとつの新しいアプローチは、エッジトップの撮像素子によって取られたイメージを、EBRのマップを作るために圧縮し同時にとじ合わせることである(図5)。 このプロセスはイメージから円周フィンガープリントを持たない特性をフィルタし、パターニングがエッジまで広がった時でもEBRの特性を測定するためのEBRアルゴリズムを許容する。円形のEBR特性はEBRフィンガープリント内で垂直なラインとして現れる。長方形か中心から外れたEBR特性は正弦曲線であらわれる。多くのエッジ欠陥はEBRによって引き起こされ、特に液浸関連の欠陥は質が悪い。EBRを測定しているエッジの面取り部の幅が、EBR起因の剥離とフレークを含む大部分の欠陥を除去することを可能とする。


図5  特許出願中のEBR計測アルゴリズムをパターン付きおよびパターンなしウェーハ両方の円周特性の計測に使用した


飛沫、残渣そしてステイン
 欠陥は歩留まりの問題を引き起こし、露光工程では防げない。これらは表面の条件を変えることによって間接的な問題を引き起こす。ステージの速度、液供給システムのデザイン、トップコートの材料、そしてすべての表面状態が、浸漬液の接触角に影響を及ぼす。たとえば、表面の汚染は疎水性の特性を変え、後退していく接触角を変える。もし接触角が小さすぎると、水の飛沫の痕跡を残した流れを引き起こす。水の飛沫は、異なった表面状態のため特にエッジ周辺では普通である。結果として欠陥は、飛沫とトップコートの間の化学的相互作用により非常に異なり、そして残渣、ステイン、ブジッジフィンガープリントなどの欠陥が発生する。

結論
 エッジの欠陥はプロセスの歩留まりに顕著な影響を与える。エッジ検査装置が液浸リソグラフィに適用され始めている。先端プロセスを量産に移行するときに管理が必要となるいくつものエッジ欠陥モデルが明らかにされている。イメージベースのエッジ検査技術は高いスループット、有効な明視野の感度、そして大量生産に要求される正確な欠陥のリポーティング能力を持っている。

Tuan Leは、米Tencor Instruments 社(現KLA-Tencor社)で半導体装置関連の仕事を始めた。米Rudolph Technologies社入社前には、米Cymer社およびウシオ電機においてマーケティングおよびマネージング職を歴任している。



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