Industry Watch

45nm対応のCu/Low-k配線技術

[2007年08月号]

By Ryoichi Tetsui
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 2007年6月1日、つくば国際会議場にて「Selete Sym-posium 2007」が開催された。その中で、半導体先端テクノロジーズ(Selete)取締役 第一研究部長の斎藤修一氏は「hp45nm対応Cu/Low-k配線技術開発」について研究成果を発表した。

 配線寸法の微細化に伴って遅延や消費電力の増加が問題となってくるため、配線間の容量を低減させる必要がある。そのため、低誘電率のLow-k膜の導入が検討されているが、機械的強度などの課題がある。Low-k膜の機械的強度の改善方法として、斎藤氏は「キュア技術やシリル化強化技術が必要になる。将来的には、エアギャップ技術や新材料のゼオライトといった技術も必要になってくる」と述べる。

 一方、メタルについては微細化による配線抵抗の上昇を少しでも低減する必要があり、「現在はTa系のバリアメタルが使用されているが、Ru系のバリアメタル、さらには極めて薄い成膜が可能なALDやCVDなどの技術が必要になる」と説明する。そして、Cuの信頼性の改善のためには、「Cu表面の改質あるいは合金化、さらには無電解の技術が必要になってくる」(同氏)という。

 Low-k膜の強度を改善する方法の一つとして、キュア技術が考えられている。同方法は、電子ビーム(EB)あるいはUV光によりキュア(硬化)を行い、Si-O-Siのクロスリンクを形成することで強度を改善する。また、結晶性の材料でSiO2よりも強い骨格強度を有している新規材料のゼオライトを用いる方法が考えられている。この他、シリル化強化技術として、TMCTS(テトラメチルシクロテトラシロキサン)のガス分子をポア(空孔)の表面に付着させ、Siの結合を促進させ、ポアの表面にSiOが連なった膜を形成させて、Low-k膜を強化する方法などが考えられている。

Low-k材料の強度改善で一定の成果
 Seleteでは、シリル化強化技術によって形成された高空孔率ポーラスLow-k材料(k値2.1、強度6GPa)の評価を行った。斉藤氏は、「空孔率が高くて強度が弱いため、こうした材料を使いこなすにはサイドウォールを形成してLow-k膜を保護する必要がある。実際、サイドウォールを形成して配線したところ、電気容量の分布で良好な結果が得られ、優れた配線特性を実現した」と述べた。

 また、キュア技術については、キュアプロセスを行ったときにLow-k膜にどのようなダメージを与えるかということを評価。それによると、「UVキュアはある一定のキュア時間を越えると急激に欠陥の数が増大するのに対して、EBキュアはキュア時間に比例して欠陥の数が徐々に増加していくことを観測した」(同氏)とし、「いずれにしても欠陥はキュア時間に依存する」とした。

 次に、ポーラスLow-k膜を形成して、一連のプロセスを行い、どのようなプロセスでLow-k膜に欠陥が発生するかということを調べた。具体的には、「成膜、キュア、エッチング、アッシング、スパッタ、めっきなど、それぞれのプロセスにおいてLow-k膜にどのように欠陥が発生するか、メチル基を導入したO-Si-CH3とSi-O-Siの2種類のLow-k膜について評価した」(同氏)という。その結果、「Low-k膜の種類が違うと、欠陥が発生するプロセスも異なることがわかった。このことは、Low-k膜の種類が異なると、そのための最適なプロセスを考えなくてはいけないことを示唆している」とした。さらに、同じLow-k膜を使用したとしても、形成するために用いるプロセスによってLow-kへのダメージの仕方が異なることを観測した。斎藤氏は、「フォトレジストマスクを用いてエッチングを行った場合、アッシングでレジストを除去する際にLow-k膜にダメージが入り、ボイドが発生した。これに対し、ハードマスクを用いた場合にはアッシングを行ってもダメージがなく、ボイドも発生しなかった。このことから、Low-k膜へのダメージは膜形成の際に用いるプロセスによっても異なることが分かった」と述べた。

 さらに、Cuの信頼性を改善する方法の一つとして、GCIB(Gas Cluster Ion Beam)を用いた取り組みについて紹介。GCIBをCu配線に照射することでEM寿命が改善することを確認したという。

 Seleteでは今後、液浸ArF露光装置を用いた一連のプロセスの再構築、新たな材料やプロセスの開発、さらには信頼性向上のための解析・評価を行っていくとした。



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