Editorial

ムーアの法則の終焉が
日本のロジックメーカー復活のカギ

[2007年10月号]

By 日本版 編集長  高橋 潤
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 9月4~5日、SEMIとSEAJが主催するIndustry Strategy and Technology Forum(ISTF 2007)が開催された。今年のテーマは「半導体の新たなる潮流—多様化する用途そしてビジネス」。初日、基調講演の後、ひときわ注目を集めたのがUBS証券会社進均氏を司会に行われたパネルディスカッションだった。そのテーマは、「技術を活かし、利益を厚くする、ロジック半導体のビジネスモデルとは?」。パネリストには、ルネサステクノロジ馬場志朗氏、米IBM社三井俊夫氏、山形日本電気佐藤奨氏、コバレントマテリアル香山晋氏、ニコン馬立稔和氏が登壇し、活発な意見が交わされた。

 パネリストおよび参加者が今一番気にしているのが、国内ロジックメーカーの動向であることは明らかであった。研究開発にせよ、日の丸ファウンドリにせよ、官の影が見え隠れするような国内事情には、基調講演の台湾TSMC社バイスプレジデントMark Liu氏、IBM三井氏の発言は刺激的であったようだ。官主導のプロジェクトに関しては「成功したことは少なく、官が適切な支援を業界に行っているとは思えない。従来モデルとは違った支援策が必要」(香山氏)という指摘があった。

 そもそも国内ロジックメーカーの敗因は何であったのだろうか。その理由として各パネリストが盛んに口にしたキーワードは「グローバル化」の遅れであった。国内ロジックメーカーは、「国内市場から染み出したところだけで海外展開を行っている」(馬場氏)という。これは、経営陣サイドの問題が大きく、また言語のバリアすら理由として挙げられる状況のようだ。

 日本において半導体工場に投資していくことに関しては「日本で製造することが重要である顧客もあり、投資は行うべき。結果を出せば成り立つ」(佐藤氏)という意見と「日本で製造するメリットは感じていないが、辞められない。日本のロジックメーカーはファブレス、ファウンドリどちらにもなり得ない。ファブの共有も負担軽減にはならない。規模確保か、放棄か、いずれも負担や痛みが伴うが決心しないといけない」(香山)などと辛口な意見が交わされた。しかし、香山氏は続ける。米Apple社のiPhoneに見られるように、最終製品市場は過剰に反応するため、これはチャンスでもあり、リスクでもある。これを組み込むには各企業が的確に判断していくしかない。そしてそれはダイナミックに確実に行う必要があるという。日本では日本にとって適切なモデルを探り合っていくしかない。さらに、単純な微細化は終わり、ムーアの法則は限界に近い。これはピンチであるとともに国内メーカーにとっては市場で勝てる新たな局面でもあると語った。

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