スピンオン塗布で半導体膜を堆積 この問題に対する1つの答えを、米IBM社のT.J.ワトソン研究所の研究者が示した。このアイデアは、無機金属をヒドラジン(N2H4)という強い溶液に溶かし、1つの基板上にスピン・コーティングによって半導体を堆積しようというもの。この堆積された半導体膜SnS2-xSex(錫、硫黄、セレンの化合物)は、n型の極性を示し、電流密度は105A/cm2以上と大きい。移動度も10cm2/Vs以上が得られている。有機材料を用いたプラスチックTFT(thin film transistor)など、これまでの似たような技術と比べ、10倍以上の性能を持つ。IBMの研究者によれば、このアプローチは、スピン・コーティングや印刷法、スタンピング、ナノインプリンティング、インクジェット・プリンティング、ディッピング、といった、早くて安くスループットの高い「溶液プロセス」に適用できるはずだという。各種のディスプレイに加え、このプロセスは、高機能スマートカード、RFID(radio frequency identification:無線タグ)、太陽電池、相変化型メモリーの用途にも利用できるだろう。