ダイジェスト版
...Wafer Processing

オプト時代の主流は発光トランジスタか
ピーター・シンガー
 イリノイ大学(アーバナ・シャンペーン校)のニック・ホロニャック(Nick Holonyak Jr.)教授とミルトン・フェン(Milton Feng)教授は、発光トランジスタを開発した。エレクトロニクスの基本デバイスがトランジスタであるように、発光トランジスタはオプトエレクトロニクスの基本デバイスを目指す。
ジョンバーディン電気/計算機工学/物理学教室のホロニャック教授は、「ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタのベース層での発光を観測し、そのベース電流の変化で発光強度を制御できることを示した」と語る。ホロニャック教授は実用的な発光ダイオード(LED)や、可視光スペクトルで動作する半導体レーザーの発明者でもある。

入出力を分離できる
 「この研究はまだ初期段階にあり、どんな応用に向いているか今はまだ言えないが、発光トランジスタはIC化や電気信号と光信号の両方を扱う高速信号処理の分野に扉を開くものだ」と同教授は語る。
 トランジスタは通常2つのポートを持っている。1つは入力で、もう1つは出力である。ホロニャック電気/計算機工学教室のフェン教授は、「この新しいデバイスは3つのポートを持っており、入力と電気出力と光出力だ。これはディスプレイ用や通信目的に光信号と電気信号を相互に接続できることを意味している」と語る。同教授は509GHzで動作する、世界最速のバイポーラ・トランジスタができるという。
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 「バイポーラ・デバイスでは、負の電荷をもつ電子と正の電荷をもつ正孔という2種類のキャリヤをベースに注入する。これらのキャリヤは、すぐ再結合し、トランジスタのベース電流になる」とホロニャック教授は語る。
 インジウム・ガリウム燐(InGaP)やガリウム砒素(GaAs)材料で2つのキャリヤが再結合すると、赤外線のフォトンを生じ、発光トランジスタの“光”を発生する。「かつて、ベース電流は不必要な発熱をもたらす無駄な電流と見なされていた。ある種のトランジスタでは、ベース電流は光を生み出す。しかもトランジスタの速度で変調できる」とホロニャック教授は語る。
 再結合プロセスはLEDで起こるものと同じであるけれども、発光トランジスタのフォトンは、非常に高速動作の条件下で発生する。これまでのところ、この研究者は1MHzの周波数で動作するトランジスタのベース電流に同期して発光を変調できることを示した。さらに高速化も可能だと見ている。
 「このような動作速度では、光配線は、回路基板上の電子部品間の電気配線を置き換えることになるかもしれない」とフェン教授は語る。これまで電子が半導体チップ上を走り回っていたように、この研究は、フォトンがチップのまわりを走り回る時代の幕開けとなるであろう。

ウエハー・プロセスに関するさまざまな情報は
www.semiconductor.net/wafer まで。

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