ダイジェスト版
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ナノトランジスタには最先端顕微鏡が不可欠
アレクサンダー・ブラウン
 2004年8月に開催される顕微鏡関係の会議、Microscopy and Microanalysis 2004の招待講演において、米International SEMATECHとテキサス大学オースチン校の研究者は、ゲート長6nm程度と微細なトランジスタを動作させたという発表を行う1)。この長さは、文字通りナノワイヤーと呼ばれるサイズだ。信頼できる顕微鏡が必要となろうが、それはかなり難しいだろう。
 最先端の顕微鏡の研究者は、バルクの材料では現れないような特性をもつ試料を求めている。このため、電子線の回折や結像だけのためにTEM(透過型電子顕微鏡)を使うと、表面現象だけではすまない効果や3次元閉じ込め現象にも直面する。つまり、電子線回折は必ずしも同じ結果が得られず、その像は理解困難なものになる。半導体メーカーは、最先端の研究開発レベルのトランジスタのサイズがこの程度になると結像を解釈する必要が出てくる。

顕微鏡情報を理解する
 とはいえ、このことが起きるためには、顕微鏡の研究者や先端デバイスの研究者は互いに情報交換しなければならない。禁制された回折情報、例えば試料のバルクに起因しないデータ、はいい例だ。十数年前までHR-TEMは位相コントラスト結像技術として最高のものといわれ、TEM解析に使われる主流の結像方式だった。電子ビームは試料を突き抜け、結晶格子がそのビームを回折させる。ビーム収集システムは回折されたビームを受け取り、この回折されたビームを透過ビームに戻し、位相コントラスト像を得る。一般的に、これは干渉パターンを表しているため、結晶格子原子を干渉パターンに関連付けることになる。
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 ナノサイズ構造のHR-TEM像を理解することは難しい。構造の寸法が、見ている像に強く影響するからである。極端に小さな3次元構造のために、禁制された回折反射が見えるだろう。試料がバルク・シリコン・トランジスタの断面部分なら禁制された回折反射は見られない。しかし、研究中のトランジスタを極めて薄いSOI上に作れば、ナノワイヤー・サイズのチャネルやゲートを見ることができるだろう。デバイスがTEM試料の厚さよりも小さな寸法になると、3次元トモグラフィ的な顕微鏡が不可欠になる。
 このため、この顕微鏡情報を解釈しようとすると、研究者たちは、ナノワイヤーのような極めて小さな3次元構造で分かっていることと、半導体顕微鏡との間を理解し合わなければならない。現在、データの解釈は部分的にはソフトウエアでなされており、ナノワイヤー顕微鏡を理解する仕事に従事してきた研究者の経験も部分的には加味している。
 ADF-TEM手法(annular darkfield scanning TEM)は、半導体産業で使われてきたが、全く違った方法でいろいろな像を結んでいる。中でも、電子エネルギー損失スペクトロスコピーのような方法を使って、ナノワイヤーの電子構造についてもっと理解することはできる。将来は、測定のプロトコルを開発しなければならない。
図 ナノワイヤー構造と未来のゲート寸法
将来のトランジスタは極薄のSOI基板上に形成されるだろう。活性チャネル層はゲート長、SOI厚さとも10nm以下のナノワイヤー寸法になろう。 出典:International SEMATECH。FinFET像はカリフォルニア大学バークレー校のT.J.King氏による。



参考文献
1) A.C. Diebold, B Foran, T. Hanrath and B. Korgel, "Advanced Microscopy for the Semiconductor Industry," Microscopy and Microanalysis 2004 Conference.

外観検査、測定、テストに関するさまざまな情報は
www.semiconductor.net/imt を参照。

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