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広島大や東大ら、強誘電体メモリー材料BLTの高耐久性を解明 

[issued: 2007.10.05]

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 広島大学と東京大学は、理化学研究所、科学技術振興機構(JST)、高輝度光科学研究センター(JASRI)と共同で、次世代のメモリー材料として期待されるPbフリーのBi系強誘電体材料について、書き込み・読み出しに対する耐久性が高くなるしくみを解明したと発表した。これにより、新規のメモリー材料開発において指針ができとともに、代替物質がないためにPbを含む材料を使用している他の分野においてもPbフリー材料への置き換えが期待されるという。

 今回の研究成果は、広島大学の黒岩芳弘教授、森吉千佳子助教、東京大学の野口祐二准教授、宮山勝教授、理化学研究所放射光科学総合研究センター 高田構造科学研究室の加藤健一研究員、高田昌樹主任研究員らのグループによる研究成果で、JST戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)「物質現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」研究領域の「反応現象のX線ピンポイント構造計測」研究課題の一環として進められたもの。

 強誘電体を利用した不揮発性メモリーの研究・開発において、メモリー材料としてはPbを含むチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が主流であったが、PbフリーのBi系の強誘電体が開発され、注目を集めている。ただ、純粋な「Bi4Ti3O12(BiT)」では、+極と-極を反転させるという書き換え操作を繰り返すとメモリー機能が失われてしまう欠点があった。近年になって、Bi元素の一部をLa元素で置換した「Bi3.25La0.75Ti3O12(BLT)」が、1兆回もの書き込み・読み出しに対して性能が劣化しないことがわかってきたが、La置換によって耐久性が高くなるしくみが解明されていなかったという。

 今回の研究では、BLTの高耐久性の仕組みを調べるため、大型放射光施設「SPring-8」の粉末結晶構造解析ビームラインBL02B2にて高エネルギーのX線を用いて回折実験を行った。その結果、新たに加えたLa金属原子や元からあるBi金属原子がO原子とどのような化学結合を形成してO原子の脱離を抑制しているのかを観察。そして、酸素欠損がなく原子がきれいに並んだ材料は、書き込みの際に材料の中で原子の移動がスムーズに行われるため、優れた耐久性を実現することを原子レベルで解明したという。


図 ペロブスカイト層内のBi/La-O結合状態。BiTではa軸方向に 島状の孤立したBi-O共有結合のみだが、BLTではb軸方向の Bi/La-O共有結合が形成され、鎖状のネットワークが観測された。




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