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産総研がスピン注入トルクの直接測定に成功、次世代MRAMの開発促進に期待

[issued: 2007.11.27]

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図1 スピントルクダイオードスペクトル
図1 スピントルクダイオードスペクトル
図2 スピントルクの電圧依存性
図2 スピントルクの電圧依存性

 産業技術総合研究所(産総研) エレクトロニクス研究部門 スピントロニクスグループの湯浅新治研究グループ長と久保田均主任研究員は、大阪大学基礎工学研究科の鈴木義茂教授と共同で、キヤノンアネルバの協力のもと、次世代の不揮発性メモリーであるスピンRAMのスピン注入トルクの直接測定方法を確立した。

 これまでスピン注入トルクの大きさを直接測定する手法がなかったため、最適な材料を開発する手掛かりがなかった。今回、スピンRAMを実際に動作させるときと同じ電圧をかけた状態でのスピン注入トルクを測定する方法を確立、これによりスピンRAMの研究開発が加速化されることが期待されるという。

 2005年に同グループは絶縁層にMgOを用いたトンネル接合にマイクロ波を与えると「スピン注入磁気共鳴」が発現し、検波・整流作用が得られることを発見。今回、このスピントルクダイオード効果によってスピン注入トルクの大きさを測定することに成功した。スピン注入トルクが素子に与える直流電圧によってどのように変化するかを解明した。これにより、直流電圧が0mV付近では直線的な振る舞いを示すことを確認、一方、-200mV以下および+200mV以上では直線から外れた振る舞いを示すことを確認した。

 スピン注入トルクの直接的評価方法を確立したことにより、スピンRAMの効率的駆動法への指針が得られることが期待される。今後、同グループではスピントルクの測定を行い、材料および積層構造とスピントルクの関係を明らかにする予定。スピン注入トルクの物理的なメカニズムの理解が進むことで、新しいスピンデバイスの創成が期待されるとしている。

 今回の研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構によるナノテクノロジープログラム「スピントロニクス不揮発性機能技術プロジェクト」の一環として実施。研究成果は、英国科学誌「Nature Physics」の電子版に掲載されるという。

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