Editorial

東の横綱ダブルパターニング、
西の関脇ベベルエッジ、
小結MEMSが前頭筆頭太陽光発電とがっぷりよつ、
SEMICON Japanは今年も大入り

[2007年01月号]

By 日本版 編集長 高橋 潤
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 今年で30回目を迎えるSEMICON Japan 2006が開催された。SEMIは、30周年を記念しSEMICON Japanに先駆けて12月4日にガーラ(祝祭)を開催した。ガーラには、普段なかなかお会いすることができないような業界の方々が一堂に会した。記念講演として京セラ名誉会長の稲盛和夫氏、理化学研究所理事長の野依良治氏が講演され、大変貴重なお話を聞くことができた。稲盛氏の講演においては、改めて米国半導体産業の勃興期に京セラが担った役割を、のちに米Intel社創業や 米国半導体産業の躍進に携わる著名な方々との関係からも知ることができた。また、野依氏の講演は、半導体産業のみならず、科学が、そして人がどのような理由で存在するのか、そのような荘厳な問いに対する各自が答えを探し求めるための、ヒントを頂けたような気がする。さらに、東京エレクトロン会長東哲郎氏の締めのお言葉には、弊誌編集顧問の津田建二を含め一堂感慨ひとしおであった(「津田建二の目」p.58参照)。SEMICON Japanのテーマである「協働によるイノベーションの創出」により、日本の半導体業界が大きく発展してきたことを体感できたひとときであった。



 そして12月6日から、幕張においてSEMICON Japanが始まった。今年の各社の発表製品・技術を相撲に例えさせて頂くならば、東の横綱はリソクラフィ工程で液浸やEUVにとってかわり主役の座に登ったダブルパターニング技術。他方、予想以上に多くの人が注目したのが搬送や各プロセス、洗浄、検査に至るまで影響が懸念されているベベルエッジに関する技術が関脇。そして小結のMEMSが、これもまた予想以上に業界の期待を担って躍進しようとしている前頭筆頭の太陽光発電とがっぷりよつ、といった印象を受けた。そして今年のSEMICON Japanは満員御礼のうちに幕を閉じた、といったところではないだろうか。読者の皆様の感想を聞きたい。

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Semiconductor International日本版編集部では日本の読者の皆様からのご意見や反論をお待ちしております。下記メールアドレスまでご連絡ください。採用分には薄謝を差し上げます。

editor-si@reedbusiness.jp

Engineer's Voice
■日本の半導体の真の復活には、後工程への積極投資、
製造装置メーカーと半導体企業のパートナーシップの改善、そしてIP戦略が重要


2006年10月号Editorial「日本半導体メーカー復活ののろし」を興味深く読ませていただきました。確かに日本の半導体は復活の兆しはあると思います。経済産業省の分析は正しいかもしれません。しかしながら、すでに投資が出来る企業と出来ない企業の差は歴然です。残念ながら復活できるのは今の半分の企業だろうと思います。

 設備投資の効率の悪さについてですが、確かに日本の企業は装置一つ一つにまで非常に細かい仕様を要求します。ではそのコストは購入側が払っているのかというとそうではありません。おそらく日本の半導体企業が装置を購入する価格は国外と比べて差は無い、もしくは不況の時期に価格が低下してしまったのでむしろ安くなっている可能性すらあります。そのコストは実は納入側が払っているのです。いままでの取引があって容易には値段は上がりません。つまり償却費が高いとすれば、装置のせいではないのです。

 一方、国内製造装置メーカーは、露光装置を除けば非常に元気。実は輸出で稼いでいるのです。装置メーカーの方が、半導体企業よりも先に海外で稼ぐ仕組みをつくり構造転換しているのです。私は装置メーカーの人間ですが、悪い言い方をすれば、国内の厳しい企業と付き合うよりも国外で大きく稼ぎたいと思っています。支払いの条件だってかなり違います。納入後半年も検収を引き伸ばされた上に、6ヶ月の手形決済をする会社と、納入時に70 - 90%の支払いが受けられる海外の納入先とどちらがパートナーとして適切でしょうか。キャッシュフローの良さは株価に直接影響します。経営者としても舵は海外に切るでしょう。ここは国内の半導体企業は改善に動かないと、国外に良い装置があっても購入ができなくなりかねません。国内の半導体装置企業ですら、ビジネスが成功したら利益の大きい海外を向きます。証券筋はあきらかにそれを評価します。

 もう一つ投資に関して気がかりなことがあります。投資額は大きくなっています。ただし投資が前工程に集中しすぎています。半導体はパッケージというもう一つの技術があってはじめて製品です。ほとんどの大手が自社で後工程をもっています。その技術は長年の改善につぐ改善とコストダウンで素晴らしいものに成熟しています。しかしこれ以上のブレイクスルーには明らかに大型投資が必要です。パッケージのエンジニアは細かな改善に目を向けさせられ、大きな事をだんだん考えられなくなっています。どうせお金が無いからという理由です。経営陣の方には、前工程に1000億円を投資するなら、900億円を前工程に、100億円は後工程に回せと言いたいです。

 海外にはIDMが育っていないとの認識は危険です。韓国の某社はメモリーもロジックのパッケージも持っています。16層のMCPを発表していますし、3Dの貫通電極のパッケージを製品にしてくるのは時間の問題です。この技術はもともと超先端電子技術開発機構(ASET)で開発されたものです。国費を使い、企業に寄り合いでお金を出させて隣の国の企業に貢献したのでしょうか。しかし、後工程技術はまだ間に合います。企業トップの見方次第です。技術は自社内にあります。

 材料をみて見ましょう。日本にはウェーハに始まって、Low-k材料、優れた薬液、ガス、レジスト、基板、パッケージ材料のすべてが揃っています。PCBの技術も世界一だと思います。難しいもので出来ない技術は日本にはありません。ここを生かさない手はないでしょう。

 極論ではありますが、日本の半導体の真の復活は後工程への積極投資、製造装置メーカーと半導体企業のパートナーシップの改善が必要だと思います。もう一つはIP戦略です。欧米や韓国、台湾の企業にしてやられないようにしっかりとした戦略をとる必要があります。あら捜しをして拒絶査定をするような審査は改めるべきです。より有効な特許をより早く成立させ活用する国としての戦略も求められます。

 失礼ながら言いたい放題書かせていただきました。
(増本 哲己)



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