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Wafer Processing
Cuエレクトロマイグレーションの制御
[2007年02月号]
現在、いくつかのEM対策が存在している。一番単純なものは米NovellusSystems社が開発中のPSAB(PECVD Self-Aligned Barrier)である。PSABはSiH4を使用してCuのケイ化物を作り、SiCとの密着性を向上させてEMを低減させるものである。米国で開催されたIEEE International Reliability PhysicsSymposium(IRPS)での報告によると、同社はPSABと最適成分のSiCの組合せにより、2倍を超えるEM低減効果が得られ、もう一つの信頼性パラメータの経時的絶縁破壊(TDDB)は10~1000倍も向上したという。
別の方法として、信頼性の高いエレクトロレスのCuのキャッピングプロセスがある。一番広範囲に検討されているのがCoWPとCoWBであり、この他にCoSnPとPbも検討されている。この溶着法は無電気反応を選択的に金属表面だけで起こすものである。ハイグレードなものとしては、Cuとの置換反応によりPdを溶着させる方法がある。米国サンディエゴで開催されたAdvanced MetallizationConference(AMC)において、仏CEA-LETI社、STMicroelectronics社、および米Philips AMS社の研究者などは、これらのプロセスは有効なEM低減効果を示すものの、Cuを腐食させる重大な要因になると指摘している。これに代わる方法としてPdを使用しない方法があるが、こちらは腐食の問題は少ないものの、より活性の高い溶着浴を使用しなければならないことから、溶着の選択性が低下するという問題がある。1) Seleteの研究者によれば、CoWP溶着後にケミカルウェットクリーニングとNH3プラズマ処理を行うことによって、リーク電流はCoWPを使用しない場合と同じレベルにまで改善できるとしている。Seleteの研究チームは、次世代テクノロジーノードにおける配線の信頼性を向上する手段として一番有望なのはCoWPであると結論付けている。
第三の方法は、米Epion社が開発中の新しい技術で、ガスクラスターイオンビーム(GCIB)を使用してCuの最上層に各種の物質を注入することによって、Cuと絶縁膜との間に有害なインターフェースが形成されるのを防止するものである。AMCで発表されたSelete/Epion社の共同研究プロジェクトによれば、SiとNをCuに注入することによって混合層SiNができ、これによって密着性が向上し、さらに、EM低減効果が長く続くとしている。この場合、SiCNバリアを使用したプロセスとの比較で、一桁も改善されるとしている。選択的ではないので絶縁膜への注入が起こり、kの有効値が若干上がるが、絶縁膜が比較的薄い(~5nm)ことから、それほど大きな増加(~5%)とはならない。Epion社CTOのJohn Hautala氏は「最適な比率のSiとNをCu層および絶縁膜に注入して、SiNの膜を表面下に形成する」という。さらに「表面下にSiNの層を形成してCu層の表面を不動態化する。SiNの層の厚さはビームエネルギーを制御することで5nmの薄膜を作ることができる。あるユーザーによれば、同注入プロセスを金属レベルエレクトロレスCoキャッピングプロセスに適用した結果、EM低減効果が10倍改善された」と語る。
AMCでは、ルネサス テクノロジの研究者がCuAl合金を使用してEMを改善できること、応力による空洞化の予防が可能であることを示した。シード層については、CuAl合金ターゲットを使用したPVDによってCuAl合金膜を形成し、その後に通常の電気めっき法によりCu層を形成する。焼きなましにより、Alの原子がシード層から拡散してCuめっき層に入り込む。Al原子の拡散はCu粒子の境界に沿って起こり、その付近に溜まる。これによって、Cu原子の泳動が予防され、空洞化が起こらなくなる。ターゲット材料を替えるだけの比較的簡単な変更で、EM低減効果が約5倍改善されたという。
参考文献
1. P.H. Haumesser et al., “Metallization Materials and Processes Beyond 45 nm Node: Challenges and New Solutions for Barrier Deposition, Copper Seeding and Capping,” Proc. of AMC, 2006.
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