200mmの半導体真空製造装置のプラットフォームでパーティクル障害を管理するため広範囲に使われている方法としては、標準排気のあとソフト排気プロセスをいれた2段階方式の排気プロセスである。ソフト排気プロセスは、流量を最低にするため流量制限器を持った標準装備の第2のラインを使用して、チャンバ内に流れ出たガスがロードロック内で規定圧力に到達するまで行われる。これはパーティクルからくる障害を減らす上で助けになる。ロードロック内で指定された圧力に達すると、第2バルブが排気プロセスを完了するため作動し、そしてロードロックの圧力を空気圧にもどす。ロードロックのチャンバ容積により、ソフト排気段階が完了するまで数秒から数分を要す。
この方式は実際のラインではよく用いられる。200mm装置の所有者が、ウェーハのスループットを増加させる必要がある場合、もしくは全体に装置の効率(OEE)を上げる必要がある場合に行われる。ウェーハのスループットに影響を与える多くの重要な要因が固定(例えば、プロセス時間、搬送ロボットの速度、そしてロードロックのポンプのスピードなど)されているので、ロードロックの排気にかかる時間は、ウェーハのスループットの律速要因となる。これは短いプロセス時間、もしくは2重のバッチロードロックが並行して動作しない場合に特に影響をおよぼす。一つの方法として、ガスの流速を上げることにより急激な圧力を供給することで達成される。しかしながらこの方法は、ロードロックが標準的な多孔性の材質のスクリーンを持つ場合、チャンバ入り口でのガスの速度は高くかつ不均一となり、結果としてチャンバ内に留まる望まれないパーティクルの障害をもたらす。
排気に要する時間に対する懸念は、スループットが制限されない状況でも発生する。この場合、装置がより厳しいパーティクルの要求を持つ時、もしくはロードロック内のウェーハ上のパーティクルの発生が急上昇した場合だ。取り付けられたロードロック装置の標準的なパーティクル対策のアプローチは、ローダーを再度作り直すことを含めて、連続したウエット洗浄プロセスの追加、上流フィルタの交換、スクリーンディフューザの交換らである。
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歩留まり向上に寄与する
ロードロックチャンバの排気時間の短縮
Chris Vroman,
Chris Quartaro,
Marshall Randolph
米Entegris社
www.entegris.com
[2007年05月号]
ウェーハのスループットとパーティクル数が半導体製造工程で全体のスループットと歩留まり改善するための主要な指標となっている。装置用のガスフィルタの最近の進歩は、大部分のプロセス装置に対してこれらの主要な指標の改善を支援促進しているといえよう。このガスフィルタが対応するプロセスには、ドライエッチング装置、CVD装置、PVD装置、RTP装置、エピタキシャル成長装置などがある。
この技術の初期導入時には、大きい内部容積を持つ200mmウェーハ対応のバッチ式ロードロックが使用された。ロードロックはパーティクルの汚染を防ぐため長い排気時間を要する傾向があった。ディフューザの導入は、必要な排気時間を大幅に短縮し、そして最終的に装置のアップグレードオプションとなった。
半導体業界は、300mmウェーハのプラットフォームへ移行するとき、装置のスループットを上げようとして、製造工程では枚葉式ロードロック(SWLL)を使うことが増えた。200mmバッチ式のロードロックと比較して、SWLLは非常に小さい内部容積を持ち、真空から大気圧までの周期は非常に速くなるように設計されている。SWLLは本来小さい内部容積を持ち、ロードロックチャンバ下部のウェーハ上のパーティクルは、早い速度のガスにあたるため簡単に除去でき、入ってくる排気ガスの速度は重要になる。パーティクルは通常はロードロック内に存在する。なぜなら機械的にウェーハをハンドリングする装置であり、空気中に露出されるためだ。超微細なフィルタ膜をもつガス・ディフューザ(メンブレンディフューザ)はこれらの問題を解決した。下部方向のガス速度を低下し、ロードロックチャンバ内の流量を一定に維持することが可能になった。
現在、大部分の300mmのロードロックが標準化される間、市場にある200mmの装置の大多数はメンブレンディフューザを使用していない。ガラス原料のスクリーン及びソフト排気法が、ロードロックの流量をコントロールする上で通常使われている。しかしながら、現在これらの装置はメンブレンディフューザ対応に改造することができるようになっている。
標準的な200mm装置の排気技術
図1 メンブレンガスディフューザの使用によりパーティクルの性能は改善され、ロードロックの排気時間は減っている
200mm装置アップグレードにおける問題解決
メンブレンディフューザによる200mm装置のアップグレードは、ロードロックの排気時間短縮、クールダウン、真空から空気圧への移動過程でのウェーハの完全な状態を維持することを可能にする。メンブレンディフューザは、200mmの各種の真空プロセス装置のプラットフォームで、超高純度ガスの速度を下げ、流量を最大にすることにより、平均で65%の排気時間を低減し、そしてパーティクルの発生を著しく低減した。図1は200mmプロセス装置の改造による、パーティクルの性能と、ロードロックの排気時間の低減を増強した利点が示されている。開発品は米Applied Materials社(AMAT)の装置を使用することにより認定された。
図2 メンブレンディフューザは、微細な多孔質をもつ中膜でデザインされてい、広い場所に向けて均一なガスの流れを保ち、チャンバ入り口ではガスの速度を落とす結果をもたらす。中膜は、高い流量の引き込みガスからくる0.003μmまでのパーティクルを除去するパーティクルフィルタの役目もはたす
ニッケルメンブレンフィルターを備えたディフューザ(図2)は、高い腐食性を持ったガスを使うポリシリコンと酸化膜のエッチングプロセスをふくむすべての環境に効果的であることが示された
メンブレンディフューザの排気時間短縮の効果を図3に示した。空気圧までの排気に時間を要する2段階プロセスは、明らかに不利であることがしめされている。逆に、メンブレンディフューザは、空気圧への排気が非常に早いことが示された。ディフューザは、ソフト排気の時間を顕著に低減もしくはなくすことを可能にし、そして全体の排気サイクルを劇的に減らし、ロードロック内への流量を上げることを可能にした。ディフューザは、ポンプダウンサイクルに影響を与えないことも分かった。
図3 排気時間に対するメンブレンディフューザの効果
図4 均一な流量を作り出すための各部品比較
前述のように、排気時間の顕著な低減による高い速度とパーティクル防止対策は、スクリーンディフューザもしくはフリットディフューザ(多孔質のガラス原料)で一般的に見られ、費用が高くつくようなことはない。高い流量を、メンブレンディフューザでは低い速度で達成することができる。メンブレンの中膜は、標準ガスライン、もしくはきめの粗いスクリーンと比べてより広い場所に向けてガスを均一に流すようデザインされている。図4は均一な流量を作るのに使用する別の部品との比較を示す。測定はガスが流れるだす出口の部品で超音波プローブを使用して行われた。結果は、メンブレンディフューザが、同じ流量の条件下でガラス材料もしくはスクリーンと比べてより効果的であることを示す。
図5に円盤型のメンブレンディフューザの速度のプロフィールを示す。入り口で、1分間につき170スタンダードリットル(slpm)の流速に対して、入り口からロードロックチャンバまで、わずか3インチの距離で下流の速度は100ft/分未満である。
図5 円盤型フィルタを持つメンブレンディフューザの典型的な速度プロファイル
最も答えにくい質問の一つに、パーティクルの再飛散に関して許容できる速度を正確に示すことがある。これは、いろいろなサイズと形を持ったパーティクルと表面に付着するいくつかのメカニズムによる問題とが複合している。これはまた、パーティクルを持ち上げるために必要な流量を知ることをきわめて困難にしている。ガスの流れの状態はダイナミックであり、境界の状態は常にアクティブであり、パーティクルを持ち上げるのに必要なガス流量が不確定なためだ。これらの問題を解決する方法は調査中だ。
図6 200mmロードロックにメンブレンディフューザを取り付けた前後のウェーハ上のパーティクル
最適化された
排気条件に対する考察
最適の排気条件を決定すること及び完全に解決することは難しい。物理的な形状がかなり複雑で、コンピューターによる流体力学(CFD)のモデルを作成することも難しい。流体の流れは、分子流、粘性流(層流でかつ乱気流)とともに衝撃波など、さまざまな形がある。さらに、ロードロックかチャンバのフロアーもしくは壁の上に留まるパーティクルのサイズもしくは接着性が、再飛散を最低化するため、近くの流動体の速度に対して正確なターゲットを決定するのを困難にしている。
簡易化したCFDモデルは、短い排気時間、流体の最小限の速度、ディフューザの物理的な配置、ディフューザの形状、チャンバかロードロックの形状、そして排気条件に関するパラメーター(例えばソフト排気使用時)の間のベストな解決案となる、ロードロックもしくはチャンバ内に流れる流体の画像を提供することができる。
排気は、ロードロックかチャンバ内で、絶え間なく変化している流体密度の複雑さが考えられ、生来ダイナミックなプロセスである。これはディフューザの取り付けにおける一般的なプロセスの理解と、パーティクル低減の効果からくる実際のテストの分析結果を組み合わせることで良い結果がえられる。
ディフューザメンブレンの均一な浸透性は、メンブレンを通過する流体の流れを均一化するのに役立ち、そしてこの構造の内で流れるため、適切な抵抗を提供する。
簡易化したCFDモデルは、短い排気時間、流体の最小限の速度、ディフューザの物理的な配置、ディフューザの形状、チャンバかロードロックの形状、そして排気条件に関するパラメーター(例えばソフト排気使用時)の間のベストな解決案となる、ロードロックもしくはチャンバ内に流れる流体の画像を提供することができる。
排気は、ロードロックかチャンバ内で、絶え間なく変化している流体密度の複雑さが考えられ、生来ダイナミックなプロセスである。これはディフューザの取り付けにおける一般的なプロセスの理解と、パーティクル低減の効果からくる実際のテストの分析結果を組み合わせることで良い結果がえられる。
ディフューザメンブレンの均一な浸透性は、メンブレンを通過する流体の流れを均一化するのに役立ち、そしてこの構造の内で流れるため、適切な抵抗を提供する。
ディフューザの組み込み
表 装置改造結果
結果
エッチング、CVD、PVDそしてエピプロセスから得られたデータポイントを選択するとき、加算パーティクル(ウェーハ上で測定した)とロードロック排気時間をプロットした。ディフューザの利点を図1に示した。図は、期待することができると直感的に示している。ロードロックの排気時間が減ることによって、加算パーティクルは排気方式の違いにかかわらず増える。チャンバガードディフューザの取り付け後、排気時間と加算パーティクルに顕著な改善がみられ、図中のカーブが改善方向に移動しているのが見られる。
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