Cover Story

先端プロセスと装置制御で次世代に進む

[2007年09月号]

複雑さと繊細さが高まる先端プロセスや求められるデバイス特性の要求に応えるために、APC/AECには今まで以上に良質なリアルタイムの装置データが、はるかに大量に必要になる。


By Alexander E. Braun
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 APC/APE(Advanced Process Control/Advanced Equipment Control)技術が急速な進歩を遂げている。プロセスがますます複雑になり、より短期間でより致命性の高い容赦のないプロセスへ向かい続けているので、望ましい歩留まりを得るために何らかの形でAPC/APEを取り入れなければならない。主要な半導体製造装置メーカーはどこも何らかのAPC/AECを備えた装置を提供している。量産工場はインフラを変更して、さまざまな装置にデータをフィードフォワード/フィードバックするために複数の情報源からの瞬間の情報を集め、多様なステップを常時一貫して制御し続ける制御手法に対応しようとしている。

 APC/AECの道のりは平坦ではなかった。「目下の問題は標準化の欠如にある」と米Freescale Semiconductor社の主席エンジニアJames Dougan氏は言う。「これは200mmウェーハでの問題だ。300mmウェーハに対する意識はもっと高く、米Sematechの新しい標準化のいくつかが採用されている。データを装置レベルの制御が可能な意味のある形式にすることが目下の最大の課題だ」。

 米Veeco Instruments社のマーケティングと自動AFM(Atomic Force Microscope)システムのシニアディレクターDean Dawson氏は、「CD制御、エッチングの深さ制御、CMP(Chemical Mechanical Planarization)装置など、多くの領域でさらなる制御が必要だ」と言う。

 米Asyst Technologies社の主席エンジニアMark Pendleton氏は、この問題をさらに広い領域で捉えている。「APC/APEの進歩には、データセットに関して半導体メーカーと装置メーカーのより密接な連携が必要だ。それぞれの量産工場は、独特の異なる所見のデータセットを必要とする可能性があり、装置メーカーと連携してそれを入手できるようにしなければならない。現在のように、SECS/GEMポートを介して入手できる同一のデータを得るだけではAPCを長期にわたってサポートすることはできない」と語る。

データの抽出
 プロセスや装置の複雑さから、装置ユーザーとしての量産工場と装置メーカーの間では早期の対話が必要だ。Dougan氏は「装置レベルのデータはAPC/AECでは欠かせない。例えば、装置の多くには、プロセスエンジニアの手には入らないセンサーデータがある。センサーの動作や応答の微細な値の変化を把握することにより、プロセス変動を理解し軽減することができる。それらのセンサーからタイミングよく手に入るデータから検出できない問題が多い」と指摘する。


図1 プロセス摂動を検出し、実際に瞬時に製品へのリスクを減らさなければならない。プロセスに際したAPCに基づいた生産性と性能の向上は最も重要である。これには装置レベルのデータを高次レベルまで得て分析しなければ実現できない
(出典:米Freescale Semiconductor社)

 もう一つの観点は、装置がセンサーデータを適切な速度で戻さなければならないという点である。「我々はCuプレートについての電圧波形制御を調べた」と同氏は言う。「内部リフレッシュ速度が約1Hzの標準通信ポートを介して得られる情報が昔からある。キロヘルツ・レベルのサンプルを調査することにより装置が動作するような変化を我々は見出した。1Hzのサンプリング速度で多くの場合は大丈夫だ。しかし、核形成過程での1秒以内に起こるような微妙な事象の場合には、サンプリング周波数をかなり高めて微細な変化を捉え、短時間の間に応答しなければならない」。これは、多重のサンプリング速度を意味し、そのスペクトルは秒単位から数1000秒単位で行なってプロセスにとって重要な信号を出力し、変動を補正できるようにしなければならない(図1)。

 装置レベルのデータマイニングにはギャップがある。量産プロセス装置の出力データを合わせるとテラバイト単位の量になる。出力速度は秒単位であったりミリ秒単位であったりする。このようなデータは発生時にできるだけ近い時点で処理し、効果的に統合すべきである。これによって他のレベルのデータマイニング、すなわち、歩留まり、インライン計測、パラメータデータや他のファクターについての情報を得るための計測や比較が可能になる。しかし、本当の根本的原因を決定するためには生データに当たれるようにしておく必要がある。

 「主なギャップは、プロセス装置には多くの内部的な装置制御手法があるにもかかわらず、その情報にアクセスする手法を装置メーカーが必ずしも提供していないことにある」とDougan氏は言う。「我々はこの高次レベルの装置制御やデータにアクセスする必要がある。これがないと、プロセスニーズを満足させるのがより難しくなる。サプライヤがプロセス装置のアプリケーションを開発するときには、我々は推奨プロセスを手にするが、そのプロセスを我々がコントロールするための制御手法は手に入らない」。

 代わりの計測システムを量産工場で使用してプロセスが適切かどうか決定することはできる。スタンドアローン型の計測装置は、プロセス装置とそのフィードバックが安定性のために必要な検定手法である。しかし、これには2レベルの制御手法を相関し、プロセスドリフトの有無を決定するための計測データを得る必要がある。これには、従来の計測データやフィードバックとともに、より未加工のプロセス装置データが必要である。

標準化の設定
 Pendleton氏は標準化を、APC/AECのデータ入手性を向上する1つの方法と見ている。「リアルタイム解決を行なう目的でアプリケーションへデータを直接的に提供するため、我々はSEMIの新e-Manufacturing EDA(Equipment Data Acquisition)標準化(インターフェースA)を実施した。さらに我々はSEMIワーキンググループの1つのProcess Control System作業部会と協同作業を行っている。この作業部会での我々の仕事は、概念実証のデモンストレーションを実現することで、これによって、インターフェースAからSEMI標準化E133に準拠したAPC型アプリケーションにどのようにデータが提供することができるかが示される」と同氏は言う。同氏はまた、半導体メーカーにデータをもっと付加的に供給する必要があると見ている。どれも効率的なAPC/AECプログラムに必須のRun-to-Run制御や障害検出分類のような解決を可能にする。

 より長期のデータマイニングの問題もある。それは系図のようなもので、立ち戻って、ある特定のロットの製造から実装、最終テストまでの各ステップを理解する必要がある。これにはトレンド検出や、他のさらに長期的な問題のためのデータ・トレーサビリティが必要だ。「ただのデータだけでは価値はない。解決を可能にし、プロセスを改善するためには分類されなければならない」とPendleton氏は語る。難しいのは、見方が人によって異なることで、それは問題の原因と思われる場所に依存する。「帰着するところは、特に45nm未満では、プロセスのばらつきである。それが制御されないと歩留まりはゼロになる」と同氏は言う。

測定装置が担う役割
 VeecoのDawson氏は、65nm以降では平均CDの測定のためにOCD(Optical Critical Dimension)がインラインで使用されていると指摘する。これはエッチング装置が正しい値を達成するのに役立つ。「OCDには利点もあるが、バイアスの問題とモニタリングの必要性がある。AFMはOCDに使用されるモデルの制御や検証に使える。光学的計測手法のスキャトロメトリ(Scatterometry)もOCDのバイアス効果の制御に使える」。

 AFMは、フィードバック/フィードフォワードAPCのエッチングの深さ制御に使用される。一例として、メタル第1層のLow-k膜の配線構造が挙げられる。他の技術では、帯電や、OCDの使用しているモデルがあまり良くないという理由から問題がある可能性がある。AFMは主に直接的に深さを測定する方法である。OCDは合格/不合格を決定する一方で、AFMは欠陥の理由を提供する。また、他の技術が平均値を提供するのに対して、AFMは最小/最大の深さも提供可能である。

 Dawson氏は、微細化には制御のための装置構成が必要と指摘する。「スキャトロメトリはある位置を占め、CD-SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)はCD制御の大黒柱だが、現在、3次元構造やLER(Line Edge Roughness)、アンダーカット等が重要になってきている。ゲート測定の必要性が増している。SOI(Silicon-on-Insulator)は、ストレスのかかった薄膜がそうであるように一般的だ。半導体メーカーは動作速度の速いデバイスを得るために、抽入、デバイスへのストレス付与といった特殊な技法を考え出しており、ここではストレスの制御が重要になる。ストレス測定にはさまざまな手法がある」。


図2 加工寸法が微細に、また複雑になると、LWR(Line Width Roughness)やLERのような要件の測定の必要性が増す。3次元AFMは45nmノードの最新APCモニタリングに重要な能力を提供する
(出典:米Veeco Instruments社)

 スキャトロメトリは良いところもあるが複雑である。そして、これらのストレス薄膜をゲートで測定するためのインラインAPCへの発展には何らかの強みがある。側壁角より重要でないとされてきたプロファイルを、今、このような複雑な構造ではモニターしなければならない。2次元/3次元の計測になるので、上部から行なうのは難しい。また、デバイスの側面に注意することも必要である(図2)。

 「デバイスの形状は重要だ」と米KLA-Tencor社のオプティカルCDマーケティングディレクターWayne McMillan氏は言う。「現在、オプティカルCD(OCD)は製造段階で、CDの制御だけでなくデバイス形状の制御のために使用されている。APCは90nm、65nmノードで使用され、現在の製造現場では2つのAPCループがある。その1つがゲートでのCD制御である。半導体メーカーはリソグラフィ後にOCD測定を通常100%のウェーハサンプリングで実施している。リソグラフィ後、それらの結果がエッチング装置にフィードフォワードされ、描画曲線が決まる。最新デバイスでは、エッチングによりトランジスタのCDを微細化している。エッチングによりレジスト厚を薄くし、CDを下げて、ゲート寸法を小さくする」。


図3 3次元構造、LER、アンダーカットの測定はウインドウ内のプロセスを維持し、所望の歩留まりを得るために必要である。Cuラインの容積を測定するためのOCDアプリケーションは、この点で有意義な技術である
(出典:米KLA-Tencor社)

 OCDの第2のAPCループは、CMPプロセスでのCu量を測定する。従来は研磨後のCu厚がメタル厚の計測装置によって測定されてきた。問題は、メタル厚だけでは配線の全般的な電気特性についてのデータをまったく得られないことである。したがってメタル厚と電気特性の相互関係は重要ではない。OCDを使用して厚さを計測するだけでなく、CDも使用してライン断面でのCu量を計算する。これは、Cuラインのシート抵抗、断面TEM(Transmission Electron Microscopy)と関係があり、電気特性を推測することができる。半導体メーカーは公称条件と彼らが考えるところまでウェーハを研磨し、CMP後に各ウェーハを測定し、断面量をチェックする。この断面量が目標値と異なる場合、APCループはCuラインの全般的な電気特性を改善するように研磨率を調整する(図3

 45nmノードでは必然的にAPCループ数はかなり多くなるだろう。そのためにはAPC制御をリソグラフィからエッチングまでに留まらず、リソグラフィからハードマスクのエッチングまで強める必要がある。おそらく、CDでの薄膜厚だけでなく、ゲート上でのスペーサ形成におけるAPC制御ループ数も多くなる。ゲート上でのスペーサ形成は、抽入がどこに行なわれ、トランジスタがどのようになるかを決定することになるので重要である。ここで、スペーサの幅だけでなく、その高さやプルダウンも、ゲートのシリサイド化後のSi量を決定することになるので重要である。

 装置が提供するプロセス均一性と、そのために必要な計測数、そしてその計測に必要なAPCループ数の間には1つのバランスがあり、それらは拮抗する。プロセス均一性は継続的に向上するので、計測の方にトレードオフがある。プロセスが良くならないところでは、統合的な計測が必要である。多くの半導体メーカーは装置に統合された計測を要求してきているが、それはまだ十分には実現されていない。プロセスの均一性は、APCによるスタンドアローン計測装置がプロセスウインドウの達成に十分と考えられる程度に向上してきている。

 寿命は計測メーカーにとって難しい問題である。さまざまな材料が導入され、時には完全な評価がなされていず、問題が起こる。微細化の要求は一般的に感度の上昇につながる。しかし、材料は半導体メーカーによって異なる独自のものである可能性がある。また、配線工程では現在、より多くの狭ピッチ層がある。以前、メタル1は他の層が緩いのに対して厳しかったが、メタル1からメタル6あるいはメタル7の層まで厳密に制御されるようになってきた。メタル1からメタル7層をリソグラフィ、エッチング、CMPについてOCDでモニターしている半導体メーカーもある。

APCとフリートマッチング
 イスラエルNova Measuring Instruments社のマーケティング・マネージャNoam Shintel氏は、45nmと32nmノードへの移行を新たな製造パラダイムの採用に伴う挑戦的な取り組みと位置づけている。新たな製造パラダイムにはダブルパターニングや液浸リソグラフィ、メタルゲート、NiSi、High-k、Low-k絶縁膜などの新材料の導入があり、高スループットで高度に自動化されたプロセス装置では、どれも、より厳しいプロセス制御を必要とする。「このような環境では、リソグラフィのような新しい領域へのAPCの導入が必須になる。縦型計上のSWAや最下部、切り欠きなど、微細な形状プロファイルにAPCが導入されるようになるだろう」。

 APCの測定技術は、より多くのウェーハを測定できるようにし、また、ウェーハ全体の変動をカバーするために各ウェーハ上のサンプリング数を増やせるようにするために相当に高いスループットを提供しなければならない。より厳しいプロセスウインドウでは、測定装置の精度要求はプロセスステップのエラーで予想される値とは桁違いに厳しくなる。しかし、単独の装置の精度では不十分で、装置組み込み型ツール、スタンドアローンツールにかかわりなく量産工場全体の計測ツールのフリートマッチングが必須になる。さらに、企業や現場間でのプロセス技術の移転が当たり前になると、計測装置の世界規模でのフリートマッチングも必要になる。

 新材料は1つの課題だ。それらの特性をどのように制御すればよいか分かると、結晶相や配向性、粒径等の新たなパラメータが計測され、プロセス制御ステップとの相互関係が比較される。このようなプロセス領域でAPCを実現するためには、線回折装置(XRD:X-Ray Diffraction)のような計測技術がR&Dのレベルを脱して相当に要求の厳しい製造環境で使用できるようにならねばならない。

 今後4~5年でAPCを実現するためには、新材料とそれらの制御方法をより深く理解する必要がある。幸運にも、22nmまでのスキャトロメトリのような光学技術には基本的な障壁は見受けられない。その後X線が光計測に置き換わることになるだろう。

ソフトウェアの問題
 米Lam Research社のソフトウェア、MEMSおよび3D IC担当マネージングディレクターJackie Seto氏はAPC/AECが不可欠と見ている。「我々はプロセス要求が装置の機能を超える場合を見込んでいる。装置には、装置の構成要素の積み重ねによる許容誤差のような些細なことによる当然の変動は常にある。APC/AECはこれを最小に留めることができる。これらの変動の出力への影響を改善するためにソフトウェアや制御を使用すればコスト効率も良くなる」。

 装置でできることの限界に近づきつつあることから、ソフトウェアの重要性が増している。リソグラフィ工程ではこれが顕著だ。半導体業界はAPC/AECを使用して装置性能を厳しくし、間違いが発生しやすい人の介入に頼らず、ソフトウェア制御により必要なものを得るようにすべきである。これはフィードバックループで実現される。自動較正手法によってシステム間で一貫したフィードバックループを作り、より調和の取れたチャンバができる。この種のAPC/AECの鍵は、必要な高い精度を得るための適切なセンサーとデータ品質である。

 組み込み知識がAPC/AECソフトウェアのトレンドである。ソフトウェアは専門的でスマートなシステムを作り上げるように設計される。どのチャンバも、装置も、量産工場も同じように機能するプラットフォームを持つためには、これらのチャンバを世界中でどれだけ一貫して構築できるかにかかっている。一つの方法は、保守方法、分析方法、問題解決方法の知識をシステムにより多く埋め込むことにより単純化することである。

 「APC/AECソフトウェアはセンサーによって良くも悪くもなる」とSeto氏は言う。「検出されないものがあった場合、ソフトウェアは無意味である。センサー技術が利用できて初めてソフトウェアが何を言っているかが問題になる。すなわち、チャンバから得られる情報とウェーハ上で起こっていることの関係である。長年にわたって多変量欠陥検出についての議論がなされてきた。それを有効にするために、多変量事象で検出された一連の欠陥間には直接的な関連があるはずであり、既に知られているウェーハ上の特定の欠陥が歩留まりや性能、スクラップ問題をもたらす」。プラットフォームのデータやデータとウェーハ性能の関連を理解するためには、より高いレベルの数学的技術が必要で、正確なデータ収集が必要だ。適格なプロセスをサポートするデータが得られないならば、過去の経験に基づいて、目標に合致するプロセスを得るための修正方法が決定される。

 装置メーカーには異なるデータセットを必要とするさまざまな顧客がいる可能性がある。そして、装置メーカーは、それぞれのユーザーが必要とする異なるデータセットを分離する一方で、必要とされるデータを適時にどのように得るかを解決しなければならない。装置メーカーのなかには装置からのデータを保護すべき知的財産と考えるメーカーもあるので、これは複雑だ。これらの知的財産の概念には変えなければならないものもあるだろう。歩留まり要求に合わせるためには新たなレベルの全制御データが必要になるから、装置メーカーはより豊富なデータセットを提供しなければならない。



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