図1は、「実効層間絶縁膜比誘電率(k)」に関するITRSの過去10年間の予測を、著者自身がプロットしたものである。もともと本誌主催の「45nm以降で立ちはだかる洗浄技術の壁」(2006年3月)で発表したものだが、その後、本誌Editorialでもとりあげられたので3)、記憶している読者もおられよう。
1997年の予測では、比誘電率は2003年には2を切り、今頃は1.5程度のUltra Low-k絶縁膜を使っていることになっている。2005年版では、2018年に2を切ることになっているから、わずか8年間で、15年も先延ばしされた。2005年の予測でさえも、1997年の「誤り」を未だにひきずっているという見方もある。なぜなら、図から読み取れるように、実際の実効κ値は、過去10年間4.0〜3.0の間で停滞していたからだ。しかし、今年5月に関係者をあっといわせるようなニュースが米国から飛び込んできた。4)IBMは、自己組織化技術を使ってエアギャップ形成を、「商用生産に向けての手法として完成させた」と発表し、さらには「2009年には製造ラインに全面的に取り入れ、チップ製造に使用する」とまで言っている4)(実際には、空気ではなく、k=1.0の真空を用いるのでエアギャップという言い方は正しくないが便宜上この言い方が定着している)。これに対して、Intelは「エアギャップは費用が掛かり過ぎるから使わない」と言い、「IBMの発表内容は文字通り空虚」と酷評する者までいるが、両者の見解の相違は、10年前のCu配線導入時とそっくりだ。5)おそらくIBMはトップランナーの威信にかけて導入するだろう。
FEOLもBEOLも、非連続な技術が次々と登場してきて、ますます面白くなるだろう。
Next is Now !
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次世代がいよいよ現実に
[2007年10月号]
去る7月中旬に米国カリフォルニア州サンフランシスで開催されたセミコン・ウエスト2007は、“Next is Now”(「次世代がいよいよ現実に」)をメインテーマに、High-k/メタルゲートを中心とした展示や講演が目立った。米IBM社や米Intel社などがHigh-k/メタルゲートの生産導入を発表しており1)、まさに“Next is Now”の状態であるから、興味がそこに集中するのは当然であろう。その陰で、これまで散々騒がれてきたCu/Low-kの方は開店休業状態だった。
前回、ITRS2)が、High-k/メタルゲートの導入時期を2年先送りしたとたんに、米国大手2社が導入を発表してITRSを大慌てさせた話題を採り上げた。1)今回は、これに対して、Low-kの導入はどのように予測されてきたか検証してみよう。
前回、ITRS2)が、High-k/メタルゲートの導入時期を2年先送りしたとたんに、米国大手2社が導入を発表してITRSを大慌てさせた話題を採り上げた。1)今回は、これに対して、Low-kの導入はどのように予測されてきたか検証してみよう。
図1 ITRSが予測したLow-k膜のk値の度重なる後退
参考文献
1.服部毅:「ITRSを信ずるものは・・・」、Semiconductor International Japan 2007年9月号, pp.64.
2.International technology Roadmap for Semiconductors, SIA, San Jose (http://www.itrs.netで全文を無料閲覧可能)
3.津田建二、「Editorial」、Semiconductor International Japan 2006年5月号、pp.9-11.
4.米国IBMからのプレスリリースの公式和訳「IBM,コンピュータチップ製造に自然界のプロセスを応用—初めて自己組織化を製造に応用し、次世代マイクロプロセッサーの名のワイヤー周囲に究極の絶縁体である真空地帯を形成—」(http://www.ibm.com/jp/press/20070507002.html)
5.服部毅、「ISSM ’99報告」、月刊クリーンテクノロジー、2000年2月号、pp.34-36.
2.International technology Roadmap for Semiconductors, SIA, San Jose (http://www.itrs.netで全文を無料閲覧可能)
3.津田建二、「Editorial」、Semiconductor International Japan 2006年5月号、pp.9-11.
4.米国IBMからのプレスリリースの公式和訳「IBM,コンピュータチップ製造に自然界のプロセスを応用—初めて自己組織化を製造に応用し、次世代マイクロプロセッサーの名のワイヤー周囲に究極の絶縁体である真空地帯を形成—」(http://www.ibm.com/jp/press/20070507002.html)
5.服部毅、「ISSM ’99報告」、月刊クリーンテクノロジー、2000年2月号、pp.34-36.
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