Editorial

ノーモア・ムーアへの動きが加速!?

[2007年11月号]

By 日本版 編集長  高橋 潤
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i-PERCソーラーセル(写真提供:IMEC)

 10月9〜10日、独StuttgartにおいてSEMICON Europe 2007が開催された。場所を昨年のMunichからStuttgartに移し、さらに時期を4月から10月へと移動したSEMICON Europeは、テーマも“This is the new SEMICON Europe”を掲げ、SEMICONという世界的な半導体製造技術の展示会の新しい方向性を示した。

 特に太陽電池関連への取り組みは今までにない勢いを各社が見せ、また、主催団体であるSEMIも太陽電池にかかわる一連のメーカーおよびイベントディレクトリPhotovoltaic Event Directoryとして準備する力の入れようだ。その他にもMEMSに関連した展示コーナーの設置など随所に半導体だけに留まらない各社の積極性を示した。

モアザン・ムーア
 その1ヵ月前には、Intel Developer Forum(IDF)において米Intel社のGordon Moore氏がムーアの法則について限界を認める発言をした模様だ。半導体メーカーの半導体以外の用途へのアプリケーションの拡大が、すなわちムーアの法則の終焉を意味するわけではない。また、ムーアの法則自体も微細化の継続だけを示したものでもない。しかし、今までとは明らかに異なった状況に突入したのも確かだ。

 コバレントマテリアル香山晋氏が9月に横浜みなとみらいにて開催されたIndustry Strategy and Technology Forum(ISTF 2007)において、単純な微細化は終わり、ムーアの法則は限界に近いと発言したことともつながる(弊誌10月号Editorial「ムーアの法則の終焉が日本のロジックメーカー復活のカギ」参照)。さらに同氏は、これはピンチであるとともに国内メーカーにとっては市場で勝てる新たな局面でもあると語っている。

 モアザン・ムーアを積極的に提唱するのがベルギーの独立系研究機関IMECだ。IMECは次世代からさき次次世代以降の研究を推進しているが、IMECの定義では、32nm以降の微細化への対応をモア・ムーア、無線デバイスやMEMS、太陽電池などの電力源、バイオチップなどの環境を考慮したスマートデバイス、さらには自動車など、アプリケーション主導で異なった技術の異種混合技術をモアザン・ムーアと定義している。

3次元インテグレーションで日本のIDMが復活する
 そのIMECが開催したARRM2007のプレスプレビューにおいて、IMECのプロジェクトリーダーと蘭NXP Semicon-ductors社フェローFred Roozeboom氏、独Infineon Technologies社のJochen Reisinger氏らが3次元インテグレーション技術についてパネルディスカッションを行った。微細化だけがムーアの法則を維持する方法ではなく、3次元インテグレーションによりこのペースで進むことが可能だ。3次元インテグレーションを実現するにはシステム全体を考えながら設計から始める必要がある。現在の水平分業体制では、だれがテストを行うのか、だれが保証するのかといった問題があり、「サブコン、ファウンドリ、ファブレスが連携して3D-ICを完成することは極めて難しく、IDMにこそ一日の長がある」(IMEC Eric Beyne氏)という。

 3D-ICはノイズの問題やサーマルミスマッチの問題など方法論としては確立されていても新しい課題が山積みの状況だ。設計ロードマップを公開しているEDAベンダーは世界でも日本の図研だけだという。しかし、それでも32nmプロセスのリスクの方が大きい。半導体製造技術が新たな局面に突入した。

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