強いものだけが残る業界で良いのか
450mmウェーハの話題が出たり引っ込んだりしている。某社のアンケート調査では、40%近い人が450mmは永久に来ないと言う結果だったが、その後米Sematechが猛烈に巻き返しに出ており、来年には方針が定まるかも知れない。現在、300mm工場はかなりの数に達しているが、大工場となると、米Intel社と一部の大手メモリーメーカーに限られている。大部分の半導体メーカーでは、300mm工場がフルに機能を発揮しているとは思えない。そこへ450mmとなると、300mm換算10万枚/月程度の規模となり、喜ぶのは世界中を見ても数社だけとなるであろう。大部分の半導体メーカーは大した恩恵に浴さず、有難迷惑な話だ。要するに、巨大企業がそれに続く企業を振り落とす作戦とも言える。では1兆円を下らない装置開発費は、だれが負担すべきだろうか。
一方、EUVリソグラフィの開発も似たような状況だ。α機が1台70億円で納入されたと言われるが、量産機がそれより安いとは思えない。現在の露光装置はマスク代が高価になり、EUVの方がトータルで安いと言うレポートを見たが、まさかそんなことは有り得ないだろう。EUVは、少品種多量の大量産ラインに用いられるだろうから、マスクの使用量は極僅かで、単価がいくらになるか見当もつかない。頼られるマスクメーカーも頭が痛いことであろう。おまけにペリクルが使用できないので、歩留まりが非常に心配される。装置の値段は、露光装置のスループットが180枚/時に近づいている折から、EUVとの差は、装置単価以上に開いてくる。結局、EUVの処理コストがいくらになるか見当もつかないし、コスト分析の公表されたデータを見たこともない。EUVも巨大メーカーによる中小メーカー振り落とし作戦の陰謀の臭いがする。我々の税金が日本メーカー振り落としの陰謀のために使われているのは問題であろう。
微細化では、ナノインプリント技術などに税金を使って頂きたい。ナノインプリントはスループットが上がらないかも知れないし、1:1パターンによる欠陥の問題もあるだろう。しかし、日本の半導体メーカーが注力したい少量多品種のロジック系LSIなどには向いていると思う。
以上、誰もが当然のこととして感じていることだろうが、余りマスコミ上では見掛けないので敢えて投稿する。更に言えば、将来の半導体工場が5000億円とか1兆円とか言われる時代となると、この業界を支配するのは、現在羽振りの良い半導体メーカーなどではなく、アラブのオイルマネーのお世話になるのかも知れない。
(厚木エレクトロニクス 代表 兼 サクセス インターナショナル株式会社 取締役 加藤 俊夫)
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理想のLow-kはまぼろし
[2007年12月号]
次世代Low-k絶縁膜の検討がいよいよ始まった。今月号では、Ultra Low-k膜に関する測定技術についての記事(p.30参照)、Ultra Low-k技術の進展についての記事(p.37参照)を掲載した。この層間絶縁膜のLow-k化およびこれにまつわる変遷は、21世紀が始まるとともに半導体メーカー、研究機関、製造装置メーカー、材料メーカーを巻き込んだ技術開発競争と新しい装置・材料ビジネスの一つの大きな潮流だった。
層間絶縁膜は0.13μmプロセスを前に、SiO2からTEOSへと変わり、さらに誘電率(k)の低いLow-k層間絶縁膜の時代に突入する。当時、Low-k膜開発を積極的に進めていたのは半導体材料メーカー大手の各社であり、一部を除いては日本の材料メーカーであった。プロセスはスピン塗布を採用し、CVD膜に比べても優位な点が多く見えた。さらにk値を下げられる多孔質Low-k膜の開発もこれらの材料メーカーが先行していた。一方、米Applied Materials社は、装置とともに材料も含めたLow-k膜のソリューションとなる「Black Diamond」、同様に日本ASMが「Aurora」、米Novellus Systems社が「Coral」を発表した。ふたを開けてみるとその結果はご存知の通り、ハイブリッド構造が一部に採用されたが、「CVD vs.塗布」なんていう見出しは何処、一気呵成でBlack DiamondとAuroraが市場を席巻した。
そしてUltra Low-k時代の到来だ。さらなるポーラス化は必須で、空孔の大きさや形、強度など新しい問題が山積している。一頃には空孔制御は可能とする意見もあったが、どうやら「クローズドポアのポーラスLow-kなんて存在したことはない、幻想だ」(IMEC)との声も聞かれる。再び、混沌としたUltra Low-k技術競争が始まる。
層間絶縁膜は0.13μmプロセスを前に、SiO2からTEOSへと変わり、さらに誘電率(k)の低いLow-k層間絶縁膜の時代に突入する。当時、Low-k膜開発を積極的に進めていたのは半導体材料メーカー大手の各社であり、一部を除いては日本の材料メーカーであった。プロセスはスピン塗布を採用し、CVD膜に比べても優位な点が多く見えた。さらにk値を下げられる多孔質Low-k膜の開発もこれらの材料メーカーが先行していた。一方、米Applied Materials社は、装置とともに材料も含めたLow-k膜のソリューションとなる「Black Diamond」、同様に日本ASMが「Aurora」、米Novellus Systems社が「Coral」を発表した。ふたを開けてみるとその結果はご存知の通り、ハイブリッド構造が一部に採用されたが、「CVD vs.塗布」なんていう見出しは何処、一気呵成でBlack DiamondとAuroraが市場を席巻した。
そしてUltra Low-k時代の到来だ。さらなるポーラス化は必須で、空孔の大きさや形、強度など新しい問題が山積している。一頃には空孔制御は可能とする意見もあったが、どうやら「クローズドポアのポーラスLow-kなんて存在したことはない、幻想だ」(IMEC)との声も聞かれる。再び、混沌としたUltra Low-k技術競争が始まる。
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