今日のコンピュータは、1秒ごとに10憶回の計算を処理するために、約10億個のトランジスタが装備されている。しかし、コインの寸法ほどの面積内にコンピュータの電力をパッキングすると、当然のごとくチップ内の熱に対する懸念が生じる。事実、平均的なデスクトップコンピュータでは、ホットスポットが確実に局部に集中し、大気圏内に再突入するスペースシャトルもしくはロケットのノズルの管よりも、単位面積あたりの熱消費はさらに多くなる(図1)。マイクロプロセッサのパッケージ技術者は、チップの寿命を短くせずに、もしくは不良を起こすことなく、どのようにチップを冷却するかを探求している。この記事では、業界が直面している問題点と選択肢の検討し、先端材料の設計でこの課題にどう立ち向かうべきかを述べたい。
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先端パッケージ
における熱流束の管理
[2007年12月号]
ウェーハレベルの熱伝達、熱接触面の材料、アンダーフィルとヒートスプレッダなど全ての技術がデバイスの熱管理に貢献する。
図1 このイメージは、今日のマイクロプロセッサとロケットノズル管、スペースシャトルの大気圏再突入のホットスポットを比較し、熱流束の課題を示す
図2 フリップチップの構造は、ワイヤーボンドには無い、最終ウェーハプロセス行程を使用するパッケージの種類。これは外部回路網と接続するチップ上のパッドにバンプを使用する
最先端マイクロプロセッサのパッケージ熱管理の主要な目標は、プロセッサの温度を100℃以下に保ち、もっと管理可能なレベルまで熱流束を低減することである。今のところの変化としては、“熱接触面材料 1(TIM1)”、“ヒートスプレッダ”、“熱接触面材料 2(TIM2、図3)”として知られている3種類の先端材料に置き換えることだ。TIM1はチップのSi裏面から、高温度の熱流束を下げる場所であるヒートスプレッダへ(もしくはいくつかの場合ヒートパイプ)の熱伝達を促進する。TIM2は、それから次のコンポーネント(例としてヒートシンク)に熱伝達を促進する。これらの材料を合わせて全体の熱バジェットの最大40%を占める熱を扱う(図4)。それゆえ良い材料とインターフェースの選択に加えて、最適化した設計で大きな差別化ができる。これらの材料の詳細を見る前に、我々はウェーハ内の熱流束を検討し、最適化を図るためのアプローチを明らかにする。
図4 熱バジェットは、熱が伝達されるそれぞれの材料もしくはデバイスに振り分けられる
ウェーハ内の熱流束
マイクロプロセッサから発生する熱は最初にSiを通して伝導する。Si自体はかなり良い熱伝導特性を持つが、熱が移動する距離を低減することはさらに利益をもたらす。この理由により、Siウェーハを薄くすることは注目に値する。歴史的にこのアプローチは、ウェーハ寸法とパッケージの種類に依存するが、Siウェーハの厚みを800μmから150μmまで低減することをメーカーに促した。ウェーハを薄くする簡単な方法のひとつとして機械的研磨かCMP(Chemical Mechanical Planarization)がある。これら両方のプロセスともウェーハへのダメージのため薄くできる範囲には限界がある。近年導入されている最先端技術に50μm以下までウェーハを薄くできる技術がある。この技術はチップ・オン・チップ、パッケージ・オン・パッケージ(PoP)、低ストレスでの応用もしくはこれらを組み合わせたものと同様な高温度の熱流束の応用に有効だ。
さらに最終ウェーハの厚みを30 μm/分まで除去できる、バルクSiのエッチング液が利用できる。その後要求性能による表面仕上げの工程が続く。Si研磨のエッチング液は、5 μm/分の除去では滑らかな仕上げのために使用される。荒い仕上げには、5 μm/分で除去できるSi系のエッチング液が使用される。エッチング液の選択は熱要求、接触面、密着性、裏面の金属の特性に基づい行われる。
さらに最終ウェーハの厚みを30 μm/分まで除去できる、バルクSiのエッチング液が利用できる。その後要求性能による表面仕上げの工程が続く。Si研磨のエッチング液は、5 μm/分の除去では滑らかな仕上げのために使用される。荒い仕上げには、5 μm/分で除去できるSi系のエッチング液が使用される。エッチング液の選択は熱要求、接触面、密着性、裏面の金属の特性に基づい行われる。
TIM1
図5 薄いが顕著なギャップを持つ材料の顕微鏡での表面特質
金属はんだは優れた熱特性を持っていたが欠点もあった。最初に、Si裏面はプロセッサにボンドするため金属で覆われなければならない。これはコストの増加を招く。第2点目は金属のTIMは比較的に固く、もしSiがヒートスプレッダと異なった熱膨張係数(CTE)を持った場合、ストレスの問題を引き起こす。これはよくあるケースだ。また、はんだ自体が高価なことも欠点として挙げられる。
最適化された解決策としては、ストレスフリーの性質をもつグリースと、はんだの熱特性の性質を合体することだ。ポリマーマトリクスのなかにはんだ粉末を組み入れることにより、低いストレスと低価格に加えて、良好なはんだの熱性能を実現することができた。これらのTIM1材料は、“アドバンス・ポリマーはんだ”と呼ばれている。はんだ粉末は、Siとヒートスプレッダ間の高熱伝導通路を形成し、キュアプロセスの間にリフローされる。少しあとで、ポリマーは、曲げやすい基板を作るためビアの間でキュアされる。結果的にこれらの材料は、低価格で残留応力が少ない、はんだと同じ熱特性を提供する。
ヒートスプレッダ
ヒートスプレッダの目標はその名前の中で説明されているようなものだ。熱を放出・拡散させることで、高温の熱流束は低減され、下流のコンポーネントはより簡単になる。ヒートスプレッダはまた壊れやすいSiに対して機械的な保護の役目もする。ヒートスプレッダはどのように熱を放出するのか?理想的には、非常に高い熱伝導特性をもつ材料は熱を放出させやすい。いかに経済的な要因があろうとも、NiプレートやCuのヒートスプレッダは通常良い結果をもたらす。Cuは適切な熱伝導特性を持ち、将来のプロセッサの要求に対しても良い結果をもたらすであろう。
ダイヤモンドはよく知られているようにもっとも高い熱伝導を持つが、コストが高すぎて使うことができない。ダイヤモンドとメタルの合成体は熱伝導の増加と許容範囲のコストでCTEマッチの改善により有望だ。空冷技術も熱を放出するのに使用できる。熱電材料は実際ホットスポットを冷却するのに有効だ。さらには液体をポンプで回路に流すか、もしくは蒸気か凝結によって行う方法もある。これらの選択肢が将来使用できるかの決定はまだなされていない。
ダイヤモンドはよく知られているようにもっとも高い熱伝導を持つが、コストが高すぎて使うことができない。ダイヤモンドとメタルの合成体は熱伝導の増加と許容範囲のコストでCTEマッチの改善により有望だ。空冷技術も熱を放出するのに使用できる。熱電材料は実際ホットスポットを冷却するのに有効だ。さらには液体をポンプで回路に流すか、もしくは蒸気か凝結によって行う方法もある。これらの選択肢が将来使用できるかの決定はまだなされていない。
TIM2
図6 熱サイクル信頼性試験は製品の認定に使用される
グリースもしくはPCMを使用するかの決定に、応用上の簡便性、リワーク許容性、コスト、材料の寿命などが検討される。最大のポイントは信頼性だ。コンピュータは、熱くなったり冷たくなったりする。そしてこの温度は、コンピュータ内のすべての部材に伸縮がおき、これによって影響が与えられる。温度のサイクルは、低粘着性のため特にグリースをもとにしたTIMに弊害をもたらす。
PCM とグリースの典型的な熱性能は、繰り返し温度サイクルに対して測定され図6に図解する。両者の材料は0〜500サイクルで良く機能するが、1000サイクルで約2℃の温度増加によりグリースの性能は低下し損傷をうける。他方、PCMの高い粘着性は、1000サイクルを越す信頼性の高い性能を可能にする。
従来のパッド・フォーマットのPCMのすぐれた性能を保ち、グリースの応用上の柔軟性を合わせ持つ、スクリーン印刷可能なPCMが最近業界に導入された。グリースは歴史的にTIM2のアプリケーションに対して使われてきた。スクリーン印刷可能なPCMの出現は、業界を好ましい選択肢の方に導いた。
結論
注意深い設計と材料の選択により、熱消費に対してパッケージを成功裡に導くことができる。初期のデザインから最終プロダクトの応用まで、熱消費と熱管理への注力は、マイクロプロセッサそして最終製品に対して、より良い性能とさらなる信頼性を生み出す。さらに、熱管理の要求は将来にわたって増え続けることだろう。強力な部門間協力と訓練の共同作業によりこの要求に応えることができる。
Andrew Delanoは、米Honeywell Electronic Materials社Interconnect Packaging SolutionsのR&Dマネージャであり、熱インターフェース材料と先端熱ソリューションR&D部門を指揮する。1998年 米Georgia Institute of TechnologyでPh.D取得。12以上の特許を持つ。
Devesh Mathurは、米Honeywell Electronic Materials社Interconnect Packaging SolutionsのGlobal Technologyディレクターで、ICとそれに関連するパッケージの熱空冷解決に対する新製品開発の責任を負う。Rensselaer Polytechnic InstituteからPh.D取得。熱マネージメント、6σ、ポリマー、プロセス・スケール・アップなどの技術領域で専門性を持つ。
Devesh Mathurは、米Honeywell Electronic Materials社Interconnect Packaging SolutionsのGlobal Technologyディレクターで、ICとそれに関連するパッケージの熱空冷解決に対する新製品開発の責任を負う。Rensselaer Polytechnic InstituteからPh.D取得。熱マネージメント、6σ、ポリマー、プロセス・スケール・アップなどの技術領域で専門性を持つ。
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