ベルギーIMECの役割の一つとして、パートナー企業のために製造装置の試作品を含む次世代技術を評価することがある(図1)。業界の一般的なプロセス条件を模写し、3〜5年先の量産における要求を予測して、装置と材料について評価が行われる。工場内のいくつかのユニークな装置での習熟サイクルは、R&Dの要求を支援する上で最も重要である。
Oリングシールの交換コストは大きい。CVDチャンバの一式のシールキットは、5000ユーロ(約$7400)程度のコストである。200mmウェーハ対応高密度プラズマCVD装置(HDP-CVD)の「Centura Ultima」の上部ノズル、仕切り弁、ターボ弁、粗引き遮断弁らの各種のFFKMシールを試験した。
2種類のFFKMのOリングはホスフィン(PH3)、酸素(O2)、シラン(SiH4)、三フッ化窒素(NF3)プラズマ洗浄ガスの環境で、上部ノズルの広い範囲に渡って攻撃される。これらのシールはいくつかの場所で高いストレスに侵された兆候が見られる。これは、この種のアプリケーションの通常値より外れた高温で引き起こされる。同様の問題がSTI(Shallow Trench Isolation)とIMD(Intermetal Dielectric)堆積のアプリケーションで観察される。
粗引き遮断弁に取り付けられ、すべてのガスに曝される旧式のFFKM合成物(通常ナノシリカもしくは金属酸化物で充填)から作られるOリングは、クラックと変形が観察された。これらのシールは各5000枚のプロセスサイクルで交換しなければならなかった。これは、ポンプラインから遮断弁を取り外し、リーク試験を行い、プロセスキットを洗浄し、チャンバを閉める作業を行わなければならないので、材料費、設置時間、人件費を消費する高価な作業となる。Oリングに化学的な激しい攻撃と機械ストレスが与えられ、そして仕切り弁において同様の結果が見られた。
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HDP-CVD
プロセスの
シール材料で寿命を延ばす
[2008年05月号]
200/300mmウェーハ対応のCVD装置における最新の試験結果で、次世代パーフロロエラストマーのシール材料が、シール寿命と中断時間そして取り換え費用を改善することが分かった。
Michele Vigliotti
Semiconductor Consultant Europe
スイスDuPont Performance Elastomers社
www.dupontelastomers.com
Semiconductor Consultant Europe
スイスDuPont Performance Elastomers社
www.dupontelastomers.com
半導体業界では300mmウェーハによる製造設備への投資が継続されている。現在はプロセス改善にスポットライトが当てられており、プロセス装置への多くの要望がある。CVD装置において、エラストマーのシール材料は、予防保全(PM)手順で必要なシール取り換えと緩やかではあるが関連性を有している。
CVD装置のシール材料の包括的な試験により、潜在的な汚染のリスクを減らすことができ、シール材料の注意深い選定により平均稼働時間(MTBR:Mean Time Between Replacement)を延ばすことができる。パーフロロエラストマー(FFKM)におけるシール技術の最近のブレイクスルーで、シールの寿命に顕著な改善と、チャンバ内での潜在的なパーティクル汚染の低減を実現した。
CVD装置のシール材料の包括的な試験により、潜在的な汚染のリスクを減らすことができ、シール材料の注意深い選定により平均稼働時間(MTBR:Mean Time Between Replacement)を延ばすことができる。パーフロロエラストマー(FFKM)におけるシール技術の最近のブレイクスルーで、シールの寿命に顕著な改善と、チャンバ内での潜在的なパーティクル汚染の低減を実現した。
新素材の試験
図1 IMECの技術者達が、アップタイムの改善とコストの低減化のために、200/300mmウェーハ対応装置で予防保全の試験を行っている
性能と寿命
図2 SiH4、He、O2、プラズマ洗浄化学薬品を使用した高密度プラズマCVDプロセスにおいて、5000枚のウェーハのサイクル後、Kalrez 9100シールは現在のFFKM 材料(右図)と比較して化学的な攻撃(左図)の兆候が少ないという結果を得た
パーフロロエラストマー「Kalrez 9100」が、いくつかの最も重要なシール取り付け位置で試験された。最初、5000サイクル相当の点検修理時間が、同一のプロセス環境試験に使われた。9100シールは、遮断弁と上部ノズルの位置で破損とクラックの兆候が観察できなかった(図2)。
技術者達は1万サイクルに耐える次世代Oリングを実証した。そしてこのOリングは寿命がさらに伸びる可能性がある。なぜなら上部ノズルを取り除くか、遮断弁を取り外す必要性がない。そしてその後リーク検査を行う必要がない。これらの結果を基に、ユーザーはCVD装置で2〜3倍以上のシールの寿命が期待できる。IMECは、すべての場所でのFFKMシールをKalrez 9100シールに200mmラインから変更する予定である。同様の結果が300mmの装置においても期待できるとしている。
謝辞
著者は、IMECのSilicon Process and Device Technology Divisionのハードウェア援助のエリアマネージャであるJeroen De Mars氏、ハードウェア援助の技師であるStefaan Wijnants氏とKristof Coose氏に謝辞を述べる。
Michele Vigliottiは、スイスにヨーロッパ本部に拠点を置くDuPont Performance Elastomers (DPE)社の半導体アプリケーション・コンサルタントである。技術プロジェクトの指導に追加して問題解決の援助、DPEに全体的な技術動向と次世代シール材料の助言もしている。以前は米Applied Materials社イタリア法人の半導体のプロセス技師であり、先端プラズマ源とリアクタープロセスと保守技術に対して広範囲な経験を持つPVDとCVD技術の専門家である。原子力エンジニアリングの学位を持ち、Italian National Council of Research (CNR)の協力によるTurin Polytechnicからプラズマ化学の博士号を取得。
E-mail:michele.vigliotti@dupontelastomers.com
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