図1に、従来のレシピセットアップのプロセスフローを示す。その目的は、無視できる欠陥の数を最小限に抑えながら、できるだけ多くのDOIを検出することである。エンジニアは、現在の微小パターンレベルに最適な分解能とコントラストが得られるように、ツール上での目視検査に基づいて開始ピクセルサイズと光学系モードを決定する。見込みのある「ホット」な(高感度)初期BF検査スキャンを最初に数回実行して、検査結果をSEMレビューツールに送信する。欠陥オフセットに役立ち、疑似欠陥、下層にある欠陥のような無視できる欠陥、およびその他のSEM不可視欠陥を区別するための検査パッチ画像がない状態では、「ホット」スキャンのSEMレビューが困難になる可能性がある。各DOIと無視できる欠陥のタイプを1つ以上選択すると、BF検査装置でS/N比解析が実行され、レシピを最適化するための候補として2つのモードが決定される。
2つの候補レシピを最適化するには、BFツールとSEMレビューツールの間で最適化を繰り返す必要がある(そのサイクルタイムには待ち時間を含む)。この時点で欠陥ビンニングを使用して、DOIと無視できる欠陥を分類できる。これらの候補レシピは、製品ロットを使用した比較のために製造ルートに送られて、最適なモードが決定され、レシピの安定性とロバスト性がテストされる。これらのロットのSEMレビューサンプリングは、従来の製造方法に従って、ウェーハごとにランダムに選択した限られた数の欠陥を使用して行われる。ウェーハごとのフィードバックが限られているので、最終的に最適なモードを決定するには、複数のロットから得た結果が必要になる。前述の従来のBFレシピセットアッププロセスでは通常、時間的な制約があるため、調べられる光学系モードやその他のBFパラメータには限りがある。製造サイクルでは、最適化されたBFレシピが最終的に発表されるまでのこのプロセスの期間は、約4〜6週間に制限されている。BFツールとSEMレビューツールの間でウェーハを移動させる従来の方法の概要図を図2に示す。
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SEMを使用した
新しいウェーハ検査レシピ
最適化方法
[2008年06月号]
明視野検査装置とSEMレビューツールを効率よくリンクすることで十分な欠陥の捕捉率を達成することができる。米IBM社のイーストフィッシュキル工場においてSOIウェーハの検査レシピ最適化を行った。この新しい方法により迅速で効率がよく、簡素化されたデータフローが構築された。
Kourosh Nafisi
米IBM社
www.ibm.com
Petra Feichtinger,WeeTeck Chia,
David Randall,
Aneesh Khullar
米KLA-Tencor社
www.kla-tencor.com
はじめに
明視野検査装置をこの歩留まり向上の取り組みに活用するには、レシピが微小パターンの各レベルで対象欠陥(DOI)に対して十分な捕捉率を達成する必要がある。この目的を達成するために、DOIに合わせてレシピの最適化を調整すると同時に、膜厚の色ムラや下層にある欠陥などの無視できる欠陥を低減(または分類)する必要がある。最適化ステップには、感度、照明モード、スペクトル領域、さまざまな欠陥タイプの分類基準などのパラメータの調整が含まれる。多くの欠陥があまりに微小で光学的に判別できない現状では通常、繰り返しの多い最適化方法が採用されている。この方法では、満足できるレシピが生成されるまで、補完的なBF検査装置とSEMレビューツールの間でウェーハ(FOUP)が移動される。しかし最先端のIC製造ファブでは、厳しい歩留まり向上率を満たすために、これらのステップの回数を最小限に抑える(「最初の1回で適切に最適化する」)必要がある。この論文で提示するデータにより、通常数週間かかる繰り返しの多いプロセスを簡素化して数日に短縮し、この目的を果たせることがわかった。
方法
従来の検査レシピセットアップ
図1 従来のレシピセットアップフローを示す図
図2 従来のセットアップでのBFツールとSEMレビューツール間の繰り返しの多いフローの概要図
新しい検査レシピセットアップ
図3 新しい方法でのBFツールとSEMレビューツール間のフローの図。データを1回転送するだけで十分である
新しい方法のカギとなるのは、検査装置の割り当てられた欠陥パラメータ、光学パッチ画像、および高解像度光学画像のすべてにアクセスできるSEMをSEMレビューで使用可能にすることである。これらのパラメータや画像は、レビュー用SEMで欠陥を再検出するのに役立ち、疑似欠陥と無視できる欠陥、特に下層にある光学的に検出可能な欠陥を区別するために重要である。SEMの透過度は光学式検査装置よりもはるかに小さいので、これらの欠陥は通常、SEMでは見えない欠陥である。KLARFファイル(欠陥の位置)にアクセスするだけでなく、レビュー用SEMで有益な情報を使用可能にすることは、SEMレビューツールでのレシピ最適化の成功へのカギとなる。
特別なアプリケーションを使用して、KLA-Tencor BFユーザインタフェースをKLA-Tencor SEMレビューステーションで使用できるようにする。この独自の統合により、BF検査を再実行する必要なく、BFレシピパラメータをリアルタイムで変更できる。SEMレビューツールを使用した、大幅に簡素化された新しいレシピセットアップフローの図を図3に示す。ユーザは、最初のBF検査で得た詳細なデータセットを使用して、最適なBF光学系モードを選択し、BFスレッショルドパラメータをレビュー用SEMでオフラインで調整できる。そのため、最適化されたレシピ設定が可能となり、「最初の1回で適切に最適化する」という目標を達成できる。さらに、レシピセットアッププロセスを簡素化するために、ビンニングClassifierをレビュー用SEMでも作成できることが望ましい。それによって、レシピ最適化作業の大部分を低所有コスト(CoO)ツールに移行して、BF検査装置を量産時検査に使用する時間を増やすことができる。
実験
図4 重大なDOIのSEMレビュー画像:ゲートポリラインの下の埋め込まれた異物
まず、従来の方法を使用して、さまざまな光学系モード、ピクセルサイズ、および波長範囲を調べた。無視できる欠陥の数を抑えながらDOIの捕捉率を高めるように、最も成功したレシピのスレッショルドを繰り返し調整した。詳細な欠陥ビンニングを使用して、無視できる欠陥を分類した。
研究した使用事例では、従来の方法で最適なレシピを検証するのに、特定のウェーハセットで複数の検査を実行できるエンジニアリングルートをセットアップする必要があった。6週間にわたって、いくつかのロットを従来の製造方法で処理した。その後、特定の各光学系モードでデータを比較した。「最適」と判断されたレシピによって、図5に「従来の方法」と示されている欠陥パレートチャートが生成された。
従来のレシピ最適化方法の終了後、新しい方法を同じ問題に適用した。つまり、エッチングプロセス欠陥に対して最高の感度を達成する検査レシピを作成した。この解析フェーズでは、3種類のロットから1枚のウェーハを選んで使用した。選択した各光学系モードで複数のテストを使用して、検査を1回実行した。さらに、修正したサンプリングプランに従って、このロット結果をSEMで100%レビューした。
SEM解析の完了後、ロットを解放して、通常の製造工程で処理を続行した。SEM Classifierソフトウェアを利用してSEM結果を100%目視で分類した。分類したデータを使用して、さらにSEMでレシピ最適化を行った。この新しいレシピセットアップ方法を使用してより詳細なデータセットを入手できたので、「従来の方法」の手順による結果とは異なる光学系モードが最適であると判断した。 の最適化する「SEMを使用した新しい方法」の結果と比較している。
新しい「最適な」光学系モードを定義した後、SEMを使用してさらにレシピ最適化を行った。まず、無視できる欠陥の数を最小限に抑えるために、感度調整機能を使用して簡単なスレッショルド調整を行い、次に詳細なビンニングを使用して無視できる欠陥を分類した。生成された欠陥パレートチャートを「SEMを使用した新しい方法」のレシピ最適化結果として図5に示す。「SEMを使用した新しい方法」の結果では、キラーDOIの数が「従来の方法」のレシピの2倍に増え、無視できる欠陥の比率は低く抑えられている。さらに、従来の方法では最初に6週間要したのに対し、この方法ではすべてのSEM解析と派生的な作業が1週間で完了した。
図5 前述のレシピ最適化の例で検出されたDOIの数を示すグラフ。これまでの方法で最適化した「従来の方法」の結果を、eDR-5x SEMでBFレシピの最適化する「SEMを使用した新しい方法」の結果と比較している
説明
レビュー用SEMでのレシピ最適化を採用した新しい方法では、前の手順で特定した「最適な」光学系モードが実際はまったく最適ではないことがすぐに明らかになった。新しい方法を使用すると、キラーDOIの数が6倍に増えた。さらに、捕捉されたキラーDOIの割合は、捕捉された欠陥総数の約3分の1に増えた。
新しい方法で最適化した検査レシピの方がキラーDOIに対する感度が高かったので、ウェットエッチングプロセスの最適化に続いて、キラーDOI、すなわち埋め込まれた異物に迅速に対処した。1週間以内にレシピを改良して確認し、歩留まりに影響を与える欠陥タイプに対処することができた。この歩留まり向上の取り組みでは、新しい方法で高い投資効果(ROI)が得られた。
結論
謝辞
この論文で紹介した方法を可能にしたBKM(Best Known Method)を開発された多くの方々に感謝する。この歩留まり向上への取り組みに対するChintan A. Shah氏の貢献に感謝する。
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