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SACVD
酸化膜による
電気性能の改善
[2008年06月号]
オゾン/TEOS系の準常圧CVD(SACVD:Sub-Atmospheric CVD)プロセスが駆動電流とジャンクションリークの改善、そしてSTIアスペクト比>8:1とPMDアスペクト比>6:1に対して優れた溝埋め込み特性を実現した。また、局部歪みチャネルデバイスへの応用で優れた性能を実証した。
オゾン/TEOS(tetra-ethyl-ortho-silicate)系の準常圧CVDプロセスを使ったHARP(High-Aspect-Ratio Process)酸化膜は、STIとPMDのアプリケーションで優れたボイドフリー(空洞のない)埋め込み性能を示す。3) それに加えて、HARP膜は引張応力(成膜時、HARP膜を約200 Mpaの引張応力を持つ)を持ち、チャネル内に応力を生じさせ、キャリア移動度をさらに上げる。1)2)さらに、HARP膜はプラズマを使用しないため、下地膜へのプラズマ損傷のリスクが除かれる。
HARPプロセス
HARP-PMD膜は2つの独立したプロセスから作られる。これは1つの統合したレシピで連続的に成膜される。ステップ1は、PMDの高い溝を埋めるために非常に高いO3:TEOS比率が必要で、800Å厚のコンフォーマルな膜を作るために設定点でTEOSフローを上げる。ステップ2は、低いO3:TEOS比率で、より高い成膜速度とスループットによりキャップ層を成膜する。キャップ層の成膜には、低いO3:TEOS比率と高いTEOSフローが必要とされる。成膜温度は430℃で、チャンバ内で600 Torrの圧力下で成膜される。低いPMDの熱バジェットが先端ロジックデバイスに対して要求されるため、HARPプロセスPMDは成膜後アニールを行わない。
HARP膜は十分に評価されている。膜の収縮は炉でのアニール(1050℃で30分)後計算された。ウェットエッチング速度(WERR)は100:1の希釈弗酸(DHF)溶液でエッチングした後測定された。膜の応力とヒステリシスが測定された。フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR: Fourier Transform Infrared Spectroscopy)で成膜後と時間経過後のHARP膜上のスペクトルが集められた。HARPの埋め込み能力が試験され実証された。最終的に、ウェーハ上でのデバイス性能をHARPとHDP-CVDで比較した。
HARP-STI膜の特性評価
表1 膜の収縮、他の工程でのWERR
膜の収縮とWERR−−低い収縮と高いWERRを持つ膜は、連続した洗浄と平坦化プロセスの間でより強固である。各ステップに対するアニールの前後での、HARP-STI膜の収縮とWERRを表1に要約する。収縮と成膜時のWERRは成膜工程、アニール後、ステップ1、2、3でWERRは変化する。このアニール後のWERRは、HDP-CVD膜より低い。
図1 湿気を吸収するにつれ、アニールなしのHARP のSTI 膜は、24 時間後に約210 Mpa から約50 Mpa へと応力は緩和され、72時間後では応力は約30 Mpa を示す
湿気含有量の変化はFTIRカーブに示される(図2)。カーブは4時間と3日経過した後取得され、約3300の波数で湿気の吸収の跡が見られる。しかし、1050℃のアニール後、湿気は膜の外に吐き出される。アニール後の膜で、FTIRの線には約3300の波数での湿気の存在が見られない。
応力ヒステリシス−−HARP-STIステップ2と3(ステップ1は正確な応力を測定するのに薄すぎる)に対する応力ヒステリシスを図3に示す。ウェーハは900℃で熱せられた。275℃ と725℃で2つのピークが認められた。最大応力は、酸化膜の再構造が起こる約725℃で認められる。膜の冷却時の最終応力は、一般的なHDP-CVD膜と同じで、約200Mpaで圧縮応力である。
図2 HARP-STI 膜の応力ヒステリシスを示す。温度上昇の速度は5℃ / 分である;全サイクル時間は8 時間である
図3 湿気の含有量と膜応力間の相関関係がHARP のSTI 膜のFTIR スペクトルで示される
HARP-PMD膜特性評価
表2 HARP-PMD のWERR
WERR−−HARP-PMD膜のWERRが熱酸化膜に対して約11:1であるのを表2に示す。HARP-PMD膜は低い成膜温度のため、WERRはHARP-STI膜より速度が速い。
膜応力−−HARP-PMD膜はHARP-STI膜と似ていて、成膜時の引張応力(300Mpa以下)は非常に高く、時間経過とともに湿気を吸収して100Mpa以下に緩和される(図4)。
応力ヒステリシス−−HARP-PMD膜の応力ヒステリシスを図5に示す。先端ロジックデバイスに対するPMDの熱バジェットの限界により、ウェーハは400℃まで熱せられた。応力の最高点は約200℃にある。膜の冷却時、最終的に応力は成膜時のレベルに戻る。この場合、アニールしたSTI膜と違って、PMD膜はこの段階では安定していない。時間経過とともに雰囲気中の湿気を吸収して応力は発散される。しかし、後続のメタル工程が高温プロセスのため、PMD膜は吸収した湿気を発散し、応力は成膜時のレベルに戻る。
HARP膜の段差被膜率と埋め込み能力
図6 成膜前後のHARP-STI の溝埋め込み能力。テスト構造はMaydan Technology Center の提供
アスペクト比<8:1でシームレスかつボイドフリーの溝埋め込み能力が、HARP-STI膜で作り出された。この溝埋め込み能力の例を図6に示す。12:1と高いアスペクト比を持つ24nmギャップに対する溝埋め込みが実現された。
HARP-STI膜の段差被膜率は>95%である(図7)。このすぐれた段差被膜率のため、HARP-STI膜は段差被膜率が重要であるスペーサーとライナーのアプリケーションにも使われる。高い段差被膜率の性能がなければ、側壁部の成膜時の膜圧が形状間の寸法で孤立形状部と密部の形状間で変化する。一つの例として、ソース/ドレイン(S/D)インプラとインプラの活性化のためのラピッドサーマルアニールのプロセス工程の間に、薄いHARP-STI膜が成膜される場所で、応力記憶が存在する。
アスペクト比はSTIより厳しさは少ない(一般的に6:1)が、同様の溝埋め能力をPMDのアプリケーションにおいても実現した。
図7 孤立形状部(左)と密部(右)で薄いHARP-STI 膜に対して95% 以上の段差被膜率を示す
HARPとHDP-CVDの比較
図8 PMOS のIon-Ioff データは、HARP をSTI とPMD フィルに使ったとき18% の特性の増加が認められる
(出典:J.S. Byun, Cypress Semiconductor)
HARP-STIでSTIフィルのHDP-CVDの代替で、HDP-CVDと比較して10%のIonの増加が認められる。代替のHARP-PMDでは15%のIonの増加が認められる。STIとPMD両方にHARPを使用すると、18%の増加が達成される(図8)。ジャンクションリークはHARP対HDP-CVDのベースラインに対して、HARPプロセスすべてのスプリットで改善が見られる(図9)。
図9 HARP スプリットに対してセルのジャンクションリークの改善が見られた
(出典:J.S. Byun, Cypress Semiconductor)
まとめ
謝辞
著者は、デバイスのデータ取得に協力してくれた米Cypress Semiconductor社のJ.S. Byunに感謝する。本文献は2007年proceedings of the International Symposium on Semiconductor Manufacturing (ISSM)で発表されたものである。
参照文献
2. H. Liu et al., “The Application of HARP for PMD Gap Fill for 65 nm Technology Node and Below,”Advanced Metallization Conf., 2006, p. 623.
3. A. Tilke et al., “STI Gap-Fill Technology With High Aspect Ratio Process for 45 nm CMOS and Beyond,”ASMC 2006.
Harry WhitesellはApplied Materials社ギャップフィル事業部で以前は主要アカウントの技術者であった。現在彼は、Applied Materials社ソーラー事業部の主要アカウントの技術者である。彼はAuburn Universityで材料技術の原理でPh.D.を取得。
Nitin IngleはSACVD/ギャップフィル事業部の技術ディレクターの任を負う。彼はApplied Materials社で熱CVD絶縁膜成膜製品のポートフォリオに対して責任を負う。彼は、Indian Institute of Technologyで化学エンジニアリングのB.S.の学位を取得。State University of New Yorkで化学エンジニアリングのPh.D.の学位を取得。
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