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第2回

CoOの構成要素と計算

[2008年07月号]

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髙山 英紀 EIKI TAKAYAMA
株式会社 ユニスリー・システム
技術営業部 担当部長

 前回は、米国半導体製造業界が直面した装置コストの膨張という深刻な問題に対処する手法として、装置購入費以外にも、生産オペレーションや廃棄までを含む、全ての経費を考慮した真の生産原価を解析するCoOが考案された事を述べた。

CoOの構成要素

図1 CoOに関わる全要素ピラミッド
出典:SEMI(E-35)半導体製造装置のCOO測定方法

 SEMIスタンダードE-35では半導体製造装置のCoO測定における構成要素として、生産装置の購入価格、材料・消耗品、人件費、信頼性、稼働率、歩留まり損失など生産活動に関わる全13種類の項目を定義している(図1)。CoOはこれらの要素に対して実際に使用された分だけを評価するアクティビティ・ベースの解析を行うため、全てのコスト要因の相関を把握した判断が可能になる。これにより、企業全体の生産活動が大幅に効率化され、結果として大きな利益を生み出すことができる。


基本計算式

 一般に、CoO解析シミュレーションは複雑で理解が難しいと思われているが、これはモデリングに必要なデータの扱いが煩雑な事と、標準化されたプログラムによる教育が不十分な事に関係している。式1は初回で示したCoOの概念を端的に表す基本式であり、生産期間内で発生した全コストを総生産良品数で割ったものを表している。


式1 項目の意味 
CF =固定費、CR =反復発生費用(変動費)、CY =歩留まり損失費、L =装置のライフタイム、TPT =スループット率、Y =歩留まり率、U =稼働率


 固定費とは装置の購入価格、立ち上げ費用、設備費などであり、装置のライフタイムで減価償却されるものが対象となる。変動費には、材料費、労務費、保守費、用力やオーバーヘッド経費など、反復発生する費用が対象になる。スループット率は、1時間当りの処理枚数を意味し、ロード/アンロード時間や段取り時間を含めて設定する。複合歩留まり率は、ウェハの物理的破損やミスオペレーション、欠陥スクラップを合わせた歩留まり率となる。稼働率は、装置が有する総有効生産時間に対する実際の生産稼動時間率を示す。歩留まり損失費は、生産工程で発生したウェーハ損失に、テスターで不良判定されたウェーハ損失を加えたものになる。通常のCoOモデルで採用されている歩留りモデルでは、欠陥密度と歩留り損失の関係を予測したアルゴリズムを採用している。

解析ツール
 CoOの実際の計算にあたっては、基本計算式の各項目を展開して行く事になるが、包括的なCoOを解析するためのコスト要素は100項目以上にもなる可能性がある。これを、独自に計算マクロを組んで実行することも不可能ではないが、例えばSEMATECHの委託で開発されたCoO専用ツール「TWOCOOL」などを利用すれば、全入力項目が既にカバーされているため、比較的容易にCoOを計算することができる。いずれにしても、プロセス工程で発生するコストの実態を正確に予測でき、バイアスの無い公平な結果が得られる事が重要なポイントになる。

参考文献
1.“Understanding and Using Cost of Ownership,” ©2003, Wright Williams & Kelly, Inc
2. C.H.Stapper, “Fact and Fiction in Yield Modeling,” Microelectronics Journal, Vol. 20, Nos. 1-2, 1989.

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