Movers&Shakers

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[2008年09月号]

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小池 淳義 氏
サンディスク株式会社 代表取締役社長

こいけ あつよし 氏
1952年8月生まれ。78年に早稲田大学を卒業後、日立製作所に入社。同社半導体製造プロセス開発の部門にて要職を歴任。1999年には半導体グループ 生産統括本部 生産技術本部 本部長、2000年にトレセンティテクノロジーズ株式会社 取締役 生産技術本部長となり、独自の300mmウェーハ枚葉プロセスを採用した工場を立ち上げた。2002年にトレセンティテクノロジーズ取締役社長に就任。2006年より現職。

Semiconductor International日本版(以下、SIJ):日本の半導体ビジネスをどう見ているのか

小池淳義:個人的な意見だが、半導体ビジネスはSoC、ロジックのビジネスとメモリーで大きく異なる。私は、トレセンティにおいて、また、経済産業省とともに日本のファウンダリを作ろうと思った。そのとき感じたのはロジックメーカーはIDM(垂直統合型企業)の形態で設計と製造をあわせて行うのは難しいということだった。製造ではプラットフォームをつくり台湾TSMC社のようにボリュームを得ることが重要だ。これは日本の半導体メーカーが生き残るためには重要なこと。さもなければ日本のロジック撤退という悲惨な状況となる。一方でメモリービジネスは異なる。設計と製造が一体となり、フィードバックをかけあって行うビジネス。IDMがふさわしいであろう。SanDiskも設計から製造まで一貫して行う形態があっている。

SIJ:東芝への単なる製造委託とは異なる

小池:もちろん違う。モノ造りは重要だ。当社も設計、開発から製造まで東芝と一緒になって行っている。

SIJ:メモリーの製造でプロセス技術は差別化要因となるのか

小池:プロセス技術は非常に重要だ。プロセスの構築、設計、モノ造り、これらが三位一体となって強みを出していくことが、原価を下げ、性能を上げる上で必要不可欠だ。装置メーカーから装置を買うだけではなく、独自のプロセスを構築していくことが大きな競争力となる。

SIJ:しかし設備投資の負担は大きい

小池:ここ数年でエポックメイキングだったのは、液浸リソグラフィの登場だ。相当大変な技術であったが、必要不可欠な技術となった。価格に見合う回収が十分できると確信している。

SIJ:次にはEUVリソグラフィも必須となる

小池:ロードマップでみるとEUVが必須なのが分かる。しかし、最先端を使うことが目的ではない。コストを下げていく戦略の中でどのようにしてバランスをとるか、よく見極めなければならない。

SIJ:450mmウェーハは?

小池:個人的には300mmの導入に際し強く推進してきたが、450mmが300mmと同じように進むかは疑わしい。300mm当時は、多くのメーカーがインフラ整備、コストのシェアリングを暗黙のうちに行っていた。450mmは限られたメーカーが推進している状況で、業界としてはタイミングが非常に難しい。450mm時代が来るのは確信しているが、少し遅れることになるだろう。

SIJ:プロセス開発コストの負担が大きく、一部のメーカーだけが先端技術を牽引している

小池:従来のようにはいかない。1社あたりの負担額が大きい。それに見合うだけの回収モデル、市場、生産能力を持たない限りはその先端の世界には入れない。新しいビジネスモデルの確立が必須だ。

SIJ:新しいビジネスモデルとは

小池:ロジックは難しい。コストを下げていくための構造改革が必要だ。ファブレスが特徴のある製品をつくり、それを共通のプラットフォームに載せて数量をかせぐ必要がある。メモリーは数をたくさんだすと市場が広がる。価格は下がるが、自ら市場をつくりだしている。規模的に勝つことが非常に重要だ。重要なことは解を求めるときに何を重点に考えるかというバランス感覚だ。良いものを速く安くつくること、どれが欠けてしまってもいけない。実際に開発しているエンジニアはこの3つのバランスを考えながら進めていくことが大切だ。

SIJ:エンジニアにメッセージを

小池:夢を持ち、大きなチャレンジ精神を持って欲しい。1つの技術に集中し、周りが見えない状況はいけない。一度、全体をみてから、自分の技術に帰ることが重要だ。周辺技術や市場をみることも必要だ。

(聞き手:高橋 潤)



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