Profit Beyond Your Horizons

第4回

装置サプライヤにとってのメリット

[2008年09月号]

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髙山 英紀 EIKI TAKAYAMA
株式会社 ユニスリー・システム
技術営業部 担当部長

 半導体メーカーが装置生産性の評価にCoOを活用する事で得られるメリットについては、数多くの実例が報告されている。しかしそれだけでなく、同時に装置サプライヤにとっても、新製品の開発・企画面における評価指標として、あるいはマーケティング・営業面における高度な企業戦略の立案や他社競合製品との差別化のためのツールとして、多面的にCoOを活用する事ができる。以下に、装置サプライヤの立場に立って見た場合のCoO活用のメリットを考察してみる。

市場競争力をもった開発・設計

 製品企画や設計の段階では、その装置がもつ投資効果をCoOを使って定量的に分析し、真に生産性の高いシステムを生み出す事が可能となる。つまり、顧客のニーズにマッチした製品開発のための戦略的重要項目の決定に、CoO解析を道標として役立てる事ができるのである。このような開発プロセスを実施していく装置サプライヤは、必然的に市場での優位性を得る事になる。


顧客との信頼関係の強化

 今日のような、急激に変化するビジネス環境の中で成功を収めるためには、顧客とサプライヤの間に相互に信頼し合える関係を構築していく事が非常に重要である。CoOを活用して製品に関するコスト情報を顧客とサプライヤ間で共有する事で、顧客は厚い信頼関係を持った上で、装置の性能を十二分に引き出す事ができる。


競合他社製品の分析
 自社製品の市場競争力をどのように把握するか?失注の原因を、製品価格以外のコスト要素まで掘り下げて分析できるか?巻き返しプランをどうやって描くのか?等々、他社との競争において発生する様々な問題を解決する際にも、CoOを活用して論理的に分析すれば、生産性やサポートも含めた競争力の優劣を定量的に評価する事ができる。

装置価格の戦略的設定
 CoOは、装置の販売価格の正当性を検証する手法としても活用できる。購入した装置を使う事でどれ程の収益を上げられるか?装置オプションやアップグレードに要する費用は妥当なものか?これらの疑問に対する回答としてCoO情報を提供された顧客は、生産期間のトータルな投資効果を評価し、提示価格を適正なものとして納得できるようになる。マーケティングの視点からみると、CoO解析はプライシング戦略の初期段階に位置づけられ、従来の曖昧な価格設定とは一線を画するものになる。

感度分析による全体像の把握
 CoOに対するコスト要素の影響度を調査する事で、装置固有のコスト特性を総合的に理解できる。つまり、考えられるコスト要素の変動範囲に対するCoO影響度の推移を分析する事で、自社製品が持つコスト要素の有利・不利特性を多面的に捉える事が可能になる。

コストデータに基づく営業
 これからの製造装置産業では、コスト情報志向型の営業、すなわち、装置の性能や特性から顧客が得られる投資効果メリットを定量的に示す事ができる営業能力が求められる。また、顧客ニーズやアプリケーションに対して、コストデータに裏付けられた的確な回答やアドバイスを与えられる事も必要である。CoOはこうした営業の局面に対処するツールとしても活用できる。

おわりに
 重要な半導体製造装置の購入に当たっては、最終決定者の95%以上が何らかの技術的知識を背景に持っており、装置価格に対しては合理的な考えをとる傾向にある。また半導体メーカーは近年、生産装置の機能・性能に対する要求レベルを維持しながら、同時に生産コストに対しても高いレベルを要求するようになってきている。このような状況下で、CoO活用のメリットを良く理解し、積極的にビジネスに組み込んでいく事は、装置サプライヤにとっては大きな福音となるだろう。

参考文献
1. Cost of Ownership: The Supplier’s View ( Richard L. Lafrance, Chairman, Stephen B. Westrate, Chariman, SMECS Cost of Ownership Subcommittee)

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