Industry Perspective

不況を乗り越えて発展するために・・・

[2008年09月号]

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服部 毅
本誌Editorial Advisor
ECS Fellow

 SEMIは、去る7月14日、半導体製造装置・材料展示会SEMICON Westに合わせて世界半導体製造装置の販売予測を発表した。それによると、2008年の販売額は、341億2000万ドルで、前年比20%の減少を予測し、メモリー分野での投資減とデバイス価格の低迷が主たる原因としている。日本半導体製造装置協会(SEAJ)も、同じく7月に日本製の半導体製造装置販売額を、前年比21%減少の1兆4623億円へと下方修正した。国内装置販売額も6年ぶりのマイナスになる見込みだという。

 世界最大の半導体装置メーカー、米Applied Materials社(AMAT)社長Mike Sprinter氏はSEMICON West 2008での経営方針説明会で、「今年、ディスプレイ製造装置の売り上げは史上最高となり、太陽光発電用もすごい勢いだが、半導体製造装置の売り上げは、前年比25〜35%ダウンする」と業界団体の予測よりもさらに厳しい見方を示した。

沈滞ムードただよう今年のSEMICON West

 このような不況下で、去る7月15〜17日に例年通りサンフランシスコでSEMICON Westが開催された。450mmウェーハへの大口径化は賛否両論で時期尚早、リソグラフィの先行きは不透明という訳で、どこにも焦点が絞れず盛り上がりに欠けた。最終日は手持ちぶさたの説明員ばかりで閑古鳥が泣くような状況だった。

 じゅうたんを敷き詰めた中身空っぽの巨大空間のブース(大企業)と、それとは対照的に、細かな治具を机の上にところ狭しと展示する小さなブース(零細企業)ばかりが目についた。そんななかで、会場内の特設コーナーで行われたTechXPOTという名の無料セミナーだけは大入り満員の状況だった。今年から西館3階で併催された太陽光発電の展示会(Inter Solar North America)も盛況だった。さらに、もともと半導体材料関係の展示会場だったEsplanadaホールは、今年は米Intel社、韓国Samsung社など世界の大手半導体メーカー用の巨大商談室となっており、一般参加者は立ち入り禁止となっていた。結局は、これらの分だけ半導体装置・材料の展示スペースが減ったことになる。


Semicon West会場内で開催された無料技術セミナーは大盛況。「無限の可能性」(展示会のメインテーマ)と書かれた垂れ幕の前でデバイス微細化について講演するスピーカーと熱心に聞き入る参加者。でも300mm実機の消えてしまった展示会はセミナー並に盛況というわけにはいかなかった。


不況こそ次のビジネスチャンスだ
 かつて日本半導体産業復権の星といわれた東芝半導体も、今年の大2四半期は302億円の赤字を出し、エルピーダも3四半期赤字のままだ。日本国内からは、経費大幅削減、出張外出禁止、文房具庫出止めなど社員の悲鳴が聞こえてくる。そんな小手先のことだけでじっと好転まで我慢しようというのだろうか。

 AMATトップは、上述の会合で、“Market Slowdown Creates Opportunities(不況はチャンス!)”と捉えて、新製品の開発と長期低視野でのグローバルなサービス体制強化などサプライチェーン構築に力を入れると強調していた。事実、同社は7月にアジアオペレーションセンターを(日本ではなく)シンガポールに着工した。アジア地区のハブ拠点を構築するという。Samsungは、システムLSIビジネス強化を図っている。Intelもビジネスモデルの再構築に取り組んでいる。世界半導体市場は,年率1桁とはいえ着実に成長を続けている中にあって、今こそビジネスの抜本的改革をしなければ日本半導体産業は衰退してしまうだろう。じっと我慢していれば済むような状況ではなかろう。



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