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リソグラフィ技術が直面する問題
[2008年09月号]
図 Litho Forumの調査では、EUVリソグラフィが2012年以降に顕著になるという結果が示された。すべての調査結果はウェブキャスト「Litho Forum Survey:2016年までにEUV?」(www.semiconductor.net/webcasts)を参照
(出典:Bernie Roman)
Sematechのリソグラフィ担当ディレクタMike Lercel氏が司会を務めた同討論会で、繰り返された重要なテーマは、リソースを使わずに必要とされる結果を得る難しさだった。最初の質問でパネリストに提起されたのは、最新露光装置のサプライヤは、通常、巨額の資本金で設立された大企業でなければならないということであった。では、開発には膨大なコストがかかることを考えると、革新的なリソグラフィ技術を可能にするためにどんなビジネスモデルが必要なのだろうか?
高屈折率液浸やマスクレス露光だけでなくナノインプリントリソグラフィに携わる企業も、特にEUV開発に注がれた金額と比較して、開発に許された資金の少なさに繰り返し不満をもらしている。しかし、ナノインプリント装置メーカー米Molecular Imprints(MII)社の創設者でありCTOのS.V. Sreenivasan氏は、そのように誰もが口にする不満ではなく、むしろ、同社に代わって結果を提示した東芝などの顧客から得ている支援について言及した。「我々はSematechと一緒に行うプログラムにも注目している」と同氏は述べた。「それはプロセスの開発や欠陥に関するデータの収集などに大いに役立つし、それを我々だけでやるのは非常に難しいからだ」。
装置開発の点から、MIIは、レンズメーカーが露光装置のインテグレータにレンズを供給するように、単にモジュールを大規模なインテグレータに供給するようなやり方も模索しているとSreenivasan氏は述べた。米Intel社のJanice Golda氏は、Sreenivasan氏の考える方法が新しいプラットフォームを可能にする一助となるだろう、として賛同した。「我々は(Litho Forumで)多くのプレゼンテーションを聞いた。EB直描に関して革新的なアイディアを持っている人々がいた。それらの技術が最終的にはマスク描画装置に反映されればいいと思う」と言う。「しかし、それらを市場に出すカギとなるのは、装置プラットフォームに適合させることができるかどうかということにかかってくる」。
どんな技術を開発するときも、利益を生むかどうかが大きな問題だ。つまり、技術開発の費用をまかなう価値があるかどうかだ、と台湾TSMC社のBurn Lin氏は言う。「ナノインプリントでもマスクレスでも何でもそうだが、良い技術であれば、1つの世代全体を席巻するだろうし、それは巨大な市場である」。ある技術を採用した、たった1社の半導体メーカーが、60機の装置を必要とする。およそ30億ドルの市場をもたらす可能性があると同氏は付け加えた。「数社が一緒になれば巨大なビジネスになる」。
米Freescale Semiconductor社のWill Conley氏は、米Albany NanoTechやベルギーIMECで行われているような、協業とコスト分担の利点を指摘した。「Freescaleにしてみれば、つぎ込む金額はわずかでも極めて大きな利益が得られる」と同氏は述べた。「従って、その利益はユーザとしての我々にとってただ大きいばかりではなく、一般的に装置メーカーにとっても非常に大きくなりうる」。
革新的な技術のいくつかはそれぞれの技術的課題に直面している。たとえば、EUVリソグラフィ向け光源や次世代の液浸リソグラフィ向け高屈折率レンズの材料開発などだ。しかし、パネリストは一様にインフラに関する懸念について口にした。米IBMのDavid Medeiros氏は、たとえば、ダブルパターニングに関する一番の懸念はオーバレイだと言う。「それは技術のすべてに影響を与える、まさにインフラ要素である」と同氏は述べた。「よって、オーバレイバジェットに寄与するものすべてにしっかり焦点を当てる必要がある。装置だけでなく、マスク画像の配置やプロセス残渣の点からの貢献が必要だ」。
また、ダブルパターニングに関して他に焦点を当てるべき領域は、マスク作成に必要なデータの準備量と取り扱い方だ、と同氏は付け加えた。「マスクインフラは、データ準備、データ量、高生産性を持った描画装置などの点から見て、マスクレスリソグラフィ以外のほとんどすべてにまたがるものだと思う」とGolda氏は言う。EUVリソグラフィについては、データ量はこの時点でそれほどの懸念材料ではないと同氏は述べたが、マスク検査、オーバレイ、レジスト、LERなど他のマスクインフラは、大部分が共通している。
Sreenivasan氏によると、MIIはペリクルのないマスクを扱うインフラに注目しているという。「我々はEUVに関して行われた研究を調べている。EUV向け研究と我々が行う必要のある研究の間には、いくらかの相乗作用がある」と同氏は言う。「しかし、本当に人々が望んでいる欠陥レベルにまで我々が到達するためには、マスクの使用サイクル全体を通して、いかにマスクを保護するかを本当に理解することが非常に重要であると思う」。
「また、ナノインプリントによる等倍テンプレートの登場はよい機会でもあると思う。一般的に、フォトマスク作成は、これまで十分な資金が費やされてこなかったビジネスであり、その分野のインフラ資源が強化されるかもしれないからだ」とMedeiros氏は付け加えた。
しかし、高屈折率液浸リソグラフィでは、「LuAGがすべて」とConley氏は言う。現在、高屈折率レンズに使用されるLuAG材料の実現可能性が不確実なことが、ある種、注目を浴びているが、開発を素早く進展させるために必要な資金を得るのは困難だ。Conley氏は、その日ニコンが高屈折率液浸プログラムの中止を発表したことを受けて、「まず、サプライヤにプログラムを中止させてはいけない」と皮肉を言った。
Sematechの液浸リソグラフィプログラムマネージャのBryan Rice氏は、彼が革新的技術に資金を調達する上で根本的な欠陥と見ているものを指摘した。「半導体業界が全体として利用可能で手頃な解決法を提供できないのは、現在の研究環境が原因だろうか?」と同氏は尋ねた。同業界の収入は過去最高を記録しているが、同業界は、「潜在的に大きな改善がなされるかもしれない、比較的控え目な投資をするため、」追加的資金を再三、要求されていると言う。「手頃な解決策の不足と、業界として新技術に投資する上での現在の戦術、との間の相関関係を描くことができるかどうか危ぶんでいる」と同氏は付け加えた。
(Aaron Hand)
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