Cover Story

High-k/メタルゲートが
量産へ一歩前進

[2008年01月号]

High-kゲート絶縁膜とメタルゲートの導入が45nmロジックから始まる。これらのHigh-k/メタルゲート技術は、チャージトラップ型のフラッシュメモリーに対しても高いメタルの仕事係数を得られるため有効だとされている。


この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る
Reza Arghavani
Gary Miner
Melody Agustin
米Applied Materials社
www.appliedmaterials.com


原子層ごとに材料を堆積することで緻密な成膜を実現するALDプロセスチャンバ

(提供:Applied Materials)

 微細トランジスタでは、短チャネル効果を制御する上でゲート絶縁膜の容量を増加させる必要がある。ゲート酸化膜の厚みを低減することでこれを達成してきたが、これは逆にゲートのリークを増加させる。それゆえIDM(垂直統合型の半導体メーカー)はゲート絶縁膜としてナイトライド酸化膜(SiON)を導入した。

 この変更は主に3つの利点をもたらす。1つ目はPMOSデバイスにおいてポリSiからゲート絶縁膜へのB(ボロン)浸透を顕著に低減でき、しきい電圧(Vt)の変動をおさえることができる点。2つ目はNMOSデバイスのホットエレクトロン特性が改善される点。さらに誘電率を上げることで電気的に必要な膜厚を下げる利点がある。

 当初は、ナイトライド絶縁膜はN2O、NH3もしくはNO雰囲気中でアニールするプロセスで作成されていた。プラズマオキサイドはその後導入され、絶縁膜厚が3nm以下でより高濃度の窒素(N)を取り込むことが必要となる。しかしながら、この超薄ゲート絶縁膜はトンネルリークの問題を抱えており、更なる酸化膜の薄厚化を推進するのは困難であった。この障壁は、ゲート酸化膜のトンネルリークを抑えるために積極的に電圧をスケーリングしているにも関わらず続いている。1)2)

 90nmノードではゲートのオキシナイトライドの膜厚は最終的に1.2nmまでスケーリングされた。65nmロジックプロセスではゲートCDの軽微なスケーリングを行った、このゲート絶縁膜が継続して使われている。プロセスフローのなかでは歪みレイヤーの導入が積極的に行われている。

 解決策としてオキシナイトライドをより高い誘電率をもった材料(High-k)に置き換えることであり、これはより厚い絶縁膜を許容し、電気的な膜厚へのペナルティを除き、リークを低減できる。酸化膜換算膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)は誘電率と反比例する。



 Thigh-kはHigh-k絶縁膜の物理的な膜厚であり、εhigh-kは誘電率である。与えられた絶縁膜厚に対して高い誘電率が低いEOTを導く。オキシナイトライドからHigh-k材料への置き換えは電気的膜厚のペナルティなしで高い酸化膜容量を与えゲートのリークを改善する。与えられたゲート絶縁膜厚はメタルゲートとHf(ハフニウム)ベースのHigh-k誘電体によりけた違いにゲートのリークを低減し、トランジスタのポリシリコンのCD値のスケーリングを可能にする。

 初期のHigh-k絶縁膜の開発では、絶縁膜とポリゲート電極間の材料の不適合が発見された。3)-5) 問題点はHigh-kとポリシリコン界面での欠陥率が高く、デバイスの電気的移動度が低いことだった。その後、ポリとHigh-kデバイスの物理的な問題に起因するチャージ散乱の原因が明らかになった。6)  当時の解決策はポリシリコンをメタル電極に置き換えることであった。High-kゲート絶縁膜とTiN電極(ミッドギャップのメタル仕事関数)がプロセスに用いられ成功裏に移動度低下の問題を回避した。6)7)

 NMOSとPMOSデバイスを持つCMOSプロセスの要求に対して、High-k/メタルゲートは3種類の新材料の導入が必要とされる。1つはHigh-kゲート絶縁膜で、メタルゲート(ポリゲートの代替)はNMOSに対して4.2eV、PMOSに対して5.2eVの仕事関数をもつ。これは伝統的な材料に対する要求である2つの仕事関数を持つメタル(Vtを達成する上で必要となる)と1つの誘電体から構成される。

 High-k/メタルゲートの他の選択肢として、2つの異なった誘電体の堆積によって2つの異なったメタルを除外することができる。さらに正電荷をもつHfベースの絶縁膜で、たとえばNMOSデバイスの場合ランタン(La)酸化膜を使用する。絶縁膜のビルトイン双極子場はメタル仕事関数のVtを別々に調整する。PMOSデバイスに対して、Hfベースの絶縁膜はもっと負電荷をもった誘電体、たとえばAl(アルミニウム)ベースの絶縁膜と組み合わせる。これらのアプローチはたとえ大量生産の量産装置においても、異なった材料をインテグレーションする上で必要とされる。

新しいHigh-kゲート絶縁膜

図1 メタルゲート、SiONそしてHfO2をインテグレーションした構造でCVカーブを測定し、ハンプがないことを観察した。これは界面が原子的に平らであることを示している。全体のk値を増加し電気的な膜厚をスケーリングすることを可能にする薄いSiON界面とSiON/HfO2転移層を持つHigh-k/メタルゲートの写真を挿入する

 Hfベースの絶縁膜はSiO2の置き換えとしての一つの選択肢である。4)-8) 

 Hfベースの絶縁膜として、たとえばマイクロプロセッサに使われている高性能IC用のハフニウム酸化膜(HfO2、k値が約15)があげられる。また低電力用チップに使われている、ハフニウムケイ酸/ハフニウム・シリコンオキシナイトライド(HfSiO/HfSiON, k値約15)があげられる。HfO2は高いk値をもたらすが、薄くて適切なキャップ膜がないと低温 (〜500℃)で結晶化し、このためにインテグレーションは困難を伴う。HfSiOの形成のためのSiの追加は、k値を下げる代わりに熱安定性を改善する。HfSiONを窒化して形成すると熱安定性が上がり、ソース/ドレインのアニール温度を〜1050℃まで上げることができ、ゲートのリークが下がり、k値を若干上げることができる。

 High-k材料の導入時の課題としてトランジスタの高い駆動電流を維持することであった。初期時、Hfベースの膜でHigh-k材料固有にあるフォノンモードによって引き起こされる散乱からくる激しいキャリア移動度の劣化が、すべてのHigh-k積層構造で観察された。3)-5 ) この現象を抑えるために薄いオキシナイトライドの界面層が、SiとHigh-k材料の間に挿入された。これは最適化されたオキシナイトライド界面の使用を延命し、過去数世代の技術ノードと比較して、先端トランジスタに要求されるすぐれたキャリア移動度、界面の安定性そしてデバイスの信頼性を可能にした。高い移動度をもつオキシナイトライドの先端ゲート積層構造技術が、High-kインテグレーションを成功裡に導いた。

 期待される電気的膜厚の増加に対して、High-k材料により低いk値を持つオキシナイトライドを追加することにより、デバイス性能の駆動移動度の増加は相殺される。図1に低周波から高周波で測定した容量と電圧(CV)カーブを示す。プロットしたCVは界面トラップを示唆するハンプ(こぶ)が見られない。この結果はオキシナイトライド層が、High-kとSiのチャネル間に高品質の界面を形成していることを示す。プロセス中にオキシナイトライドとHfの混合が起こり、積層構造(例えば電気的な膜厚は低減される)の全体のk値は増加する。9)10) 高い移動度を持つデバイスは電気的な膜厚をスケーリングしたオキシナイトライドとHigh-kの積層構造から得ることができる。

新しいメタルゲート
 ポリシリコンゲート材料からメタルへの置き換えはHigh-kゲート絶縁膜とポリ電極間の適合性の問題をなくす。HfベースのHigh-k絶縁膜は、TiNメタルゲートで高い移動度をもつトランジスタを可能にした。多大な労力と研究が適切な仕事関数を持つメタル電極を見つけ出すのに費やされた。6)7)4.2eVと5.2eVを持つメタルの仕事関数がNMOSとPMOSデバイスのVt制御には必要とされた。

 このようなメタル材料は、CMOSインテグレーションでの高温で不純物を活性化するのに要求される熱工程に耐えなければならない。高い仕事関数を持つほとんどのメタルは、高温プロセスの後のバルクでの性質は安定している。しかしこれらのメタルは高温プロセス後High-k絶縁膜の界面の性質を変えてしまう。

 この熱に対する不安定性がVtの変動とデバイスの信頼性の低下を招く。さらに、High-kと正の仕事関数を持つメタルゲートでプロセスされたPMOSデバイスでは、高温プロセス後に0.5eV以上のVtの移動が起こる。これはメタル堆積プロセスとそれに続く高温プロセスによってHfO2の酸素の欠如が原因だ。6)同時にミッドギャップや低い仕事関数を持つメタルは、バルクの性質が変わるため高温プロセスに関してより安定性が低い。

 通常のCMOSプロセスではメタルゲート電極は適合性がないため低温でのCMOSフローが要求される。このプロセスはゲートラストもしくはダマシンプロセスとなる。6)11)-14)このフロー内ではメタルゲート材料は熱プロセスと不純物活性化の後ポリトレンチの内部に堆積される。トレンチはサリサイドと歪み誘起層プロセス後に作成される。ゲートファーストのフローでは、例えば絶縁膜内部の双極子場の作成が金属の仕事関数から独立したVtを調整する方法として使用される。15)16)

 メタル堆積に要求される装置は、物理的薄膜形成法(PVD:Physical Vapor Deposition)と原子層蒸着(ALD:Atomic Layer Deposition)が組み合わされている。

 インテグレーションの手法にもよるが、超高度のステップカバレージをもつALDが狭部CDのポリトレンチの最初の堆積に用いられ、PVDによる工程が続く。Vt調整のために修正が必要とされる所は、Vt調整用絶縁膜としてPVDスパッタリング装置が使用され、独立した仕事関数を持つ単一メタル堆積が必要とされる。

 デバイスのVt調整(例えばメタライゼーションとダイポールを誘起する誘電体)に必要なALD、PVDメタルそして誘電体堆積技術には、顕著な進歩が見られる。High-k/メタルゲートに使われる装置は量産に対して準備が整っているといえよう。

エッチング、CMPそして計測技術

 High-k/メタルゲートの導入は、エッチング、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Planarization)そして計測技術に新たな課題を発生させた。ゲートファースト構造では、絶縁キャップ層とメタルゲート堆積プロセスは均一性に優れかつ低ダメージのプロセスでなければならない。High-k材料は形状、選択比そして残渣制御の問題に対して広いプロセス許容度が要求される。デバイスの最終的な電気的特性を保証するために、High-kのエッチングはSi界面まで垂直でスムーズな形状が達成されなければならない。そしてゲート下のS/D領域のSiへのリセス(溝)の発生を避けなければならない。

 Siのリセスを避けるために、反応性イオンエッチング(RIE)による物理的な衝撃のリスクを除くため、化学的なエッチングが求められている。

 しかしながら、従来のプロセス温度では、完全に垂直プロファイルを保ちSi界面までエッチングするのは困難である。その代わりにHigh-k材料の膜を界面で若干残し、それが望ましくない残渣を発生させる。高温でのエッチングが、High-kエッチングによる副生成物の揮発を促進して残渣のない表面を作りだす(図2)。

 ゲートラストのフローに対しては新規の研磨技術が、必要となる。ポリトレンチに堆積した低抵抗メタルを除去する上で重要となる。次工程でのコンタクトのリソグラフィプロセスに影響を与える電極のディッシング(研磨での膜減り)が少なく、均一性を維持したプロセスでなければならない。

 密な構造の間の微小な欠陥の検出には、検査感度を低減することのないコヒーレント(位相のそろった)で高輝度照明源をもつ短波長レーザーが必要とされる。新たな欠陥の予測される変化に対して、複数の角度から検出信号を集め、そして材料とパターンノイズを取り除き、注目する欠陥の信号のみを残した、精度のあるアルゴリズムを持つ検出装置を必要とする。High-k/メタルゲートの新規材料の導入により、開発段階での歩留まり改善の習熟期間を短縮し、また量産における偏位逸脱の根本原因を見つけるうえで、欠陥の組成分析と欠陥の断面は欠かすことができない方法だ。

 ゲートラストとゲートファーストの2つの主なアプローチを含むいくつかのインテグレーション案が考えられている。


図2 基板温度を上げることで化学的エッチングの要素が増える。そして垂直形状を維持しHigh-kの下部残渣を除去することができる


ゲートラスト

 ゲートラストのアプローチ(図3)は、メタルゲートの堆積工程が活性化アニールの後であるため低温プロセスとみなされ、メタルは高温にさらされることはない。ゲートラストのインテグレーションフローでは、High-k膜はポリ堆積より前に堆積される。このように、サリサイドと歪み誘起ナイトライド層のプロセス(デュアルストレスライナー)まで標準的なプロセスフローを使用する。酸化膜埋め込み層がポリライン間に堆積され、そしてポリを研磨する。ポリトレンチのエッチングはNMOSとPMOS両方同時に行われ、メタルゲート堆積がそれに続く。この構造内では、メタルゲートの堆積はHigh-k膜にダメージを与えることなしに、完全なステップカバレージ(段差被膜性)が要求される。

 NMOSかPMOSメタルゲートどちらかがエッチングするのに容易であるかによって、どちらかのメタル堆積部を除去するためのリソグラフィ工程が挿入される。この低温メタルゲートでのインテグレーション上の課題は埋め込み構造の確保だ。1つのメタル埋め込み工程でボイド(空隙)とシーム(すじ)のない膜をトレンチに埋め込む必要がある。最終のメタルCMP工程では過剰なメタルを除去する。デバイスに影響を及ぼさないために一貫性のあるモニターと適切な最終洗浄が必要だ。第2プレメタル絶縁膜(PMD)とコンタクトのエッチングで始まる、標準的なプロセスフローが後に続く。


図3 ゲートラストのインテグレーションは低温メタルゲートプロセスである。High-k膜はポリ堆積の前に堆積され、その後標準プロセスフローが適用される。PMD堆積とCMPの後NMOSとPMOS両方のポリが同時に除去される。メタルゲート堆積の後、1回のリソグラフィー工程で最初のメタル堆積膜の除去が必要となる。最終的にメタル埋め込みを終了した後メタルのCMPが必要となる


ゲートファースト

図4 ゲート・ファーストは標準プロセスフローにHigh-k/メタルゲート工程を組み込む。オキシナイトライド上にHigh-k膜を堆積した後、絶縁キャップ層が堆積される。1回のリソグラフィー工程が最初のキャップ層を除去するのに必要である。単一メタル層が両方のキャップ層に堆積され、これはデバイスの閾値電圧(Vt)を調整する

 ゲートファーストのインテグレーションフローのなかでは、High-k/メタルゲートの挿入以外は標準的なトランジスタのフローが使われる。メタルの仕事関数における高熱バジェットの影響を避けるために、ミッドギャップの熱的に安定な薄いメタル層がNMOSとPMOSデバイス両方の上に堆積される。Vtはミッドギャップメタル電極の誘電率により調整される。これは絶縁膜のなかに双極子場を作りだすことにより達成される。Hfベースの絶縁膜が堆積され、高温アニールでHfO2を混合し双極子をつくりVtを変化させる絶縁膜キャップ層のプロセスが続く(図4)。

 一般的にHfベースのHigh-k絶縁膜は、NMOSのVtを正方向に移動させ、PMOSに対しては仕事関数が負の方向に移動する。リソグラフィ工程がPMOS側の最初の絶縁キャップ層を除去するために続く。PMOSの絶縁キャップ層はその後堆積され、NMOS側は除去される。Vtが各絶縁キャップ層で調整され、単一メタル層がNMOSとPMOS両方に堆積され、その後ポリの堆積工程が続く(図5)。



図5 2つの主なインテグレーション案である、ゲートラストとゲート・ファーストがHigh-k/メタルゲート導入のために検討された


High-k/メタルゲート CMOSメモリー
 フラッシュメモリー技術は、ビット密度を増加するために、急進的なリソグラフィによるスケーリングによって推進されている。さらなるスケーリングに対してフローティングゲート(FG)ベースのフラッシュメモリーのセルにおいては、デバイスと材料に対する限界が見えている。NAND型フラッシュメモリーのフローティングゲート(FG)セルは、下部絶縁酸化膜からポリシリコンのフローティングにFN-トンネル電流(Fowler-Nordheim Tunneling)によって書き込みを行っている。近接する酸化膜の伝導体バリアーによって電子はFG内でトラップ(捕獲)される。これによってセルのVtは変動する。セルはまた下部酸化膜へのFNトンネリングによって消去される。スケーリングにおいてFGセルは近接効果を考慮しなければならない。トラップされた電子はFG内で動き、そして近接したセルは他のセルからVtを変化させられる可能性を持つ。

 それに追加して、ワードラインの方向にFGを取り巻く層間ポリ絶縁膜をかいしたコントロールゲート(CG)とFGの間でカップリングの影響をうける。積極的にアレイを縮小する上で、ラップアラウンド(循環)の技術は不可能である。それゆえCG-FGのカップリングが将来のFGメモリーのスケーリングの課題となるであろう。

 そのため、3次元のSONOSアレイ17)、RRAM(アモルファスカルコゲナイドを含む)、強誘電体メモリー(FeRAM)、マグネティックRAM(MRAM)、ナノ結晶半導体、High-k/メタルゲートのチャージトラップフラッシュのような、新種の材料とデバイス構造が調査されている。18)先端メモリーを製造している各IDMは、たとえばTANOS(TaN-Al2O3-SiN-Oxide-Silicon)セル構造を持つ、チャージトラップ型フラッシュにHigh-k/メタルゲートの適用を検討している。FNトンネリングがチャージトラップナイトライドのセルの書き込みに使われているが、電子がナイトライド記憶層のエネルギーギャップの分離したトラップに蓄えられる。蓄積した電荷は動きにくく局部集中している。近接したセルからの相互作用が抑えられ、40nmノード以降のスケーリングに有望視されている。

 チャージトラップデバイスの上部ブロック絶縁膜に対してHigh-k材料の追加で、トンネル酸化膜への電界を最大化することができる。この電界の増加は書き込みと消去のスピードを速め、動作電圧を低下させ、より厚いトンネル酸化膜の使用により、デバイスの速度に対して妥協することなしに電荷保持特性を改善する。上部のHigh-k絶縁膜はまた広いバンドギャップ(例えばAl2O3)を持ち、書き込み時ゲートに流れ出す電子を阻止し、リテンションモード(電荷保持モード)で電荷のリークを抑制する。消去動作下でホールは基板からナイトライド層にトンネルし、セルのVtを低下さす。同時に電子はゲートからチャージトラップ層にトンネルによって戻される。電流がホールの消去電流と等しくなったとき負のVt変化が終わる。これは電子の障壁高さの増加のため、High-k絶縁膜を持つメタルゲートの仕事関数の影響により緩和され、戻りのトンネリング電流を低減する。18)

 フラッシュメモリーのプロセスフローへのHigh-kメタルゲート導入の課題は、高温プロセスでの材料の安定性と変動に対する懸念事項であり、これはロジックのゲートファーストプロセスと同等の懸念だ。高い仕事関数を持つ単一メタルとHigh-k絶縁膜がすべてのセルに使われている。

 45nmノードのロジックではHigh-k/メタルゲートが導入されるであろう。フラッシュメモリーは、High-kとメタルゲートの導入による高い仕事関数とチャージトラップメモリーの利点を取り入れることができる。2つのメタルと1つの絶縁膜に対して2つの絶縁膜と1つのメタルの選択はロジック製品の製造の観点で決められることになるであろう。どちらの選択も独自のインテグレーション案と製造装置が必要とされる。製造装置メーカーとデバイスメーカー両者とも量産化に向けて、どちらの選択に対しても準備が整った状況だ。

参考文献
1.R. Chau et al., “30nm Physical Gate Length CMOS Transistors With 1.0 ps n-MOS and 1.7 ps p-MOS Gate Delays,” IEDM Tech. Dig., 2000, p. 10.
2.R. Arghavani, “Challenges of Forming Ultra-Thin Gate Oxides,” Electrochemical Soc. Proc., 2001, Vol. 9, p. 131.
3.M.V. Fischetti et al., “Effective Electron Mobility in Si Inversion Layers in Metal-Oxide-Semiconductor Systems With a High-k Insulator: The Role of Remote Phonon Scattering,” J. Appl. Phys., 2001, Vol. 90, No. 9, p. 4587.
4.E. Gusev et al., “Ultrathin High-k Gate Stacks for Advanced CMOS Devices,” IEDM Tech. Dig., 2001, p. 451.
5.S. Datta et al., “High Mobility Si/SiGe Strained Channel MOS Transistors with HfO2/TiN Gate Stack,” IEDM Tech. Dig., 2003, p. 653.
6.E.P. Gusev et al., “Advanced High-k Dielectric Stacks With PolySi and Metal Gates: Recent Progress and Current Challenges,” IBM J. Res. & Dev., 2006, Vol. 90, No. 4/5, p. 387.
7.R. Chau et al., “High-k/Metal-Gate Stack and Its MOSFET Characteristics,” IEEE Elect. Dev. Lett., 2004, Vol. 25, No. 6, p. 408.
8.R.M. Wallace et al., “Alternative Gate Dielectrics for Microelectronics,” Mat. Res. Soc. Bulletin, 2002, Vol. 27, p. 186.
9.A. Callegari et al., “Interface Engineering for Enhanced Electron Mobilities in W/HfO2 Gate Stacks,” IEDM Tech. Dig., 2004, p. 825.
10.M.P. Agustin et al., “Scanning Transmission Electron Microscopy Investigations of Interfacial Layers in HfO2 Gate Stacks,” J. Appl. Phys., 2006, Vol. 100, p. 024103.
11.J. Pan et al., “The Effect of Annealing Temperatures on Self-Aligned Replacement (Damascene) TaCN-TaN-Stacked Gate pMOSFETs,” IEEE Trans. Elect. Dev., 2004, Vol. 51, No. 4, p. 581.
12.C. Ren et al., “A Dual-Metal Gate Integration Process for CMOS With Sub-1-nm EOT HfO2 by Using HfN Replacement Gate,” IEEE Elect. Dev. Lett., 2004, Vol. 25, No. 8, p. 580.
13.A. Yagashita et al., “Improvement of Threshold Voltage Deviation in Damascene Metal Gate Transistors,” IEEE Elect. Dev. Lett., 2001, Vol. 48, No. 8, p. 1604.
14.A. Chatterjee et al., “CMOS Metal Replacement Gate Transistors Using Tantalum Pentoxide Gate Insulator,” IEDM Tech. Dig., 1998, p. 777.
15.V. Narayanan et al., “Band-Edge High-Performance High-k/Metal Gate n-MOSFETs Using Cap Layers Containing Group IIA and IIIB Elements With Gate-First Processing for 45 nm and Beyond,” Symp. VLSI Tech., 2006, p.178.
16.M. Chudzik et al., “High-Performance High-k/Metal Gates for 45nm CMOS and Beyond With Gate-First Processing,” Symp. VLSI Tech., 2007, p.194.
17.H. Tanaka et al., “Bit Cost Scalable Technology With Punch and Plug Process for Ultra High Density Flash Memory,” Symp. VLSI Tech., 2007, p. 14.
18.C.H. Lee et al., “A Novel SONOS Structure of SiO2/SiN/Al2O3 With TaN Metal Gate for Multi-Giga Bit Flash Memories,” IEDM Tech. Dig., 2003, p. 26.5.1.

Reza Arghavaniは、米Applied Materials社(AMAT)フェローである。32nmノード以降のロジックと不揮発性メモリー技術の薄膜技術開発を担当している。California大学Los Angeles校で物理のPh.D.を取得。

Gary Minerは、AMAT Front End Pro-ducts DivisionのCTOである。Stanford大学にて電子工学のMS学位取得。

Melody Agustinは、AMATでプロセスエンジニアであり、High-k/メタルゲートを担当している。California大学Santa Barbara校でマテリアルのPh.D.を取得。



この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

SI Japan RESOURCE CENTER

アドバンスドエナジージャパン株式会社
金属材料のマグネトロンスパッタリングにおけるアーク抑制
JPN-ArcSputmetal-270-01.pdf
資料一覧を見る
この資料をダウンロード

EVENTS