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第5回

半導体メーカーにとってのメリットと注意点

[2008年10月号]

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髙山 英紀 EIKI TAKAYAMA
株式会社 ユニスリー・システム
技術営業部 担当部長

 先月は、装置サプライヤがCoOを活用することによって得られるメリットについて述べた。今月はエンドユーザとしての半導体メーカーの立場から見たメリットと注意点を探ってみよう。

メリット1:工場の運転経費節約
 CoO解析の第一の目的は装置資産に対する投資コストを低減させる事だ。しかし、半導体メーカーにとってのメリットはそれだけではない。半導体メーカー自身が資本装置を所有して工場を運転する場合の投資効果を、CoO解析の手法によって比較する事ができるのだ。つまり、全生産期間の中で装置の稼働状態を変化させるさまざまな要因(例えば消耗品・材料の使用量、交換パーツの管理費や定期保守の頻度など)を分析することで工場の運転経費を効果的に節約する事ができる。

メリット2:メンテナンス損失の最小化(実例:露光装置のランプ交換コスト)

図1 照射ランプ交換時期に見るCoO変化

 装置性能を安定に引き出すために必要な予防メンテナンスについても、装置に固有なコスト要素間の関係を明確化することで、メンテナンスによって発生する損失を最小にする事ができる。例えば、非常に高額な露光装置の照射ランプ交換の実施時期をどうするかという大きな問題はよく知られている。ここでもCoO解析手法を応用した合理的な計画立案が可能になる。

 図1は、露光装置の照射ランプ交換頻度をパラメータとしたメンテナンス損失をモデル化したCoO特性を示す。照射ランプは非常に高価であるが、ショット数や時間と共に次第に照度が低下するため、適切な時期に新品と交換しなければならない。交換間隔が短いほど、ランプ照度を維持し、露光時間を短く保てる半面、交換作業による装置ダウンタイムが増加し、全体の稼働率が低下する。さらに、購入ランプやテスト用ウェーハの消耗増加により材料費も上昇し、結果として早期のランプ交換は損失が大きくなる。


 反対に、交換時期が長くなれば、今度はランプ照度の低下によって露光時間を延長しなくてはならず、それだけ装置のスループットが下がる。また、パターン品質にも悪影響を及ぼし、リワーク率の増加やパラメトリック歩留まり率の低下などを引き起こすので、結果として損失が増大する。

 このようなジレンマに対しても、CoO解析を活用すれば、最適なランプ交換頻度を求めることができ、メンテナンス損失を最小化することができる。

注意点およびまとめ
 このように、条件の組み合わせによって損失コストが変化していく問題に対しては、CoO解析を使ったシミュレーションが効果的な解決方法である。ただし、信頼性の高いCoO解析を行うために、押えておくべき重要なポイントがいくつかある。先ず、予測される生産デマンドを考慮した装置稼働率を設定し、装置特性に関する詳細かつ正確なデータを可能な限り入手することである。また、ワランティー終了後の運転コストに大きく影響する、故障発生間隔(MTBF)や修理時間(MTTR)、パーツ交換費用などの経年変化要素のデータをしっかり押えておく事も重要である。上記の例では、ランプ交換に関連した数種類のコスト要素を関連づけた簡単なCoOのモデルを作り、交換直後から1週間ごとの損失コストを感度分析したが、全てのデータを持っているエンドユーザは、それらの関連性をさらに追究した精度の高い解析が可能であり、結果として莫大なコスト節約を実現する事ができるのである。

参考文献
1.A Tool for Equipment Users, manufacturers: (Theodore Roussors, President, Industrial Systems Int’l Inc.)

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