ウェーハ洗浄技術
変革の時
次世代プロセス要求に応える

[2008年10月号]

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低酸素薬液

 FSIのButterbaugh氏は、メタルゲートの洗浄に対して低酸素環境の使用に潜在能力があると見ている。そして、低酸素環境に対してさらに強い必要性があるのは、先端Cu/Low-k洗浄の領域であり、これは今日の洗浄に対して最も要望が強いプロセスである。32nmでCu/Low-kのいくつかのインテグレーション方法では、CoWP層で研磨したCuラインをキャップする自己整合のバリア膜を含む。「次のレイヤーのパターニングをし、全てのLow-k材料をエッチング、そしてメタル層までビアをエッチングした後、CuおよびCoが同時に露出される」とButterbaugh氏は語った。「そして、洗浄を試みると、電解腐食が起こり、コンタクトから全てのCo層を基本的にエッチングしてしまいボイドが形成される」。 

 FSIは、腐食防止に脱酸素洗浄薬液を評価中であり、洗浄薬液から端を発する酸素を除くだけでなく、酸素が薬液に戻って溶解しないように、プロセスチャンバが酸素を取り除いたことを確認することをButterbaugh氏は説明した。「1社がこの装置を採用した。この装置は枚葉式洗浄プロセスであり、すでに非常に小型である。そして、60秒の短い洗浄プロセスが実現している」。

 32nmプロセス以降で、ウェットおよびドライのウェーハ洗浄プロセスの両方は、絶縁膜および相対的なCD値に悪影響を与えると、米Semitool社のBEOL/Yeild Enhancement部門統括マネージャDana Scranton氏は言及した。例えば、従来の市販の洗浄媒体またはHF系の媒体を使ってエッチングとアッシング工程で関連する汚染物を除去することは、材料ロスをもたらすことがあり、Cuのダマシン構造の間に好ましくない誘起クロストークを引き起こすことがある。

 新規媒体およびプロセス方法が、CDの著しい変化に影響を受けない有効な洗浄を確保する上で開発されていると、Scranton氏は語り、特に重要なのはプロセスにより引き起こされる誘電率の変動であるという。「k値に変化を及ぼしてはいけない」と彼は語った。「しかし実際には、k値はエッチング、アッシュおよび洗浄プロセスの結果により増加する。ここでの課題は、k値の移動を最低化すること、またはなくすことである。これは、新規洗浄プロセスを形成し、エッチング後のプロセス/アッシュプロセス/洗浄プロセスで同等なk値を回復することである」。

 ポーラス(多孔質)なLow-kおよび有機膜などの新材料の複雑性は、従来のSi系またはポリマー系の膜と同等な密着性を多くの場合持っていないことである。したがって、それらは重大な欠陥源になることがある。液浸リソグラフィに使われる液体は、これらの欠陥およびベベル領域からそのほかのパーティクルを拾い上げることがあり、ウェーハの他の部分に付着させ、歩留りの問題を増やしそして引き起こす。

 さらに事態を複雑にさせるのは、配線寸法の本質および十分に低いk値を達成する材料に対する必要性が、脆い構造をもたらし、以前は問題にならなかったプロセス条件でも損傷に敏感になっていると、Scranton氏は追加した。「多孔性の本質は、ダマシン構造を分離する有効な構造係数を減らすことがあり、その構造を洗浄した場合、表面張力または流体力が洗浄媒体から与えられることにより構造を倒壊させることがある」。

メガソニックによる損傷に立ち向かう
 「ゲート構造はますます脆くなっており、簡単に損傷を受ける。洗浄プロセスで最大の問題の1つは、機械的損傷vs.パーティクル除去に集約される。損傷に非常に敏感な他の構造は、コンデンサ構造である。40nmまたは30nmのメモリーセルを見ると、コンデンサ構造はそれら自身がほとんど倒れこむような構造をしている」とMarks氏は述べた。

 メガソニック洗浄は、構造的な損傷に関係した問題を起こすプロセスの1つだ。メガソニックについてまだ十分に理解されていない。
 「いくつかの企業ではパターン付きウェーハで、ウェットベンチのメガソニックは基本的に使っていない」とButterbaugh氏は語った。

 「現時点では、既存のメガソニックはどんな薬液にたいしても非常に制御性が悪い」とMarks氏は語った。その代りに、Lam Researchは、別のジェットスプレー技術に注目しており、それにのっとって新技術を研究しているが、まだ公開する時期ではないという。「なぜメガソニックが損傷を起こすか、なぜある程度制御できないかの原理を理解していてはじめて、パーティクル除去および損傷とのトレードオフを良好にできる。メガソニックを応用した新しい薬液についていくつかのアイデアがあり、これらの問題を打破できる」。

 Akrionは、バッチおよび枚葉式プラットホーム両方にメガソニック機能を提供しているが、メガソニックに関連するいくつかの損傷が報告されており、それはどの程度脆いか、または微小な寸法かによるとKashkoush氏は言及した。

 Kashkoush氏によると、メガソニックの能力を改善するために3つの主要なポイントがあり、さらなる調査が必要だという。メガソニックの周波数は、1Mhzの範囲にあるが、Akrionおよびそのほかの企業はさらに高い周波数への移行を調査しており、これにより損傷がより微小になる可能性があるという。音波の伝播の第2のポイントは、音響エネルギーの拡散を調査することである。これは、ガス(例えば、窒素、アルゴンまたはCO2)を注入した液体に音波がいったん入ると、音響強度は減少することが含まれる。

 Mertens氏によると、今は基本的なメガソニックの設計原理に戻る時期であるという。メガソニックは、洗浄問題の多くに対して長期的な解決策であると一般的に信じられているが、メガソニックの欠点を打破するにはいまだ遠い(図3)。「メガソニック洗浄が20年以上もの間生き延びていて、この技術がよく制御、評価そして理解されているという間違った印象を与えている。あいにく、これは真実からは程遠い。事実、正確な洗浄のメカニズムは解明されておらず、非常に少ない定量的なモデリングが利用できるのみだ」(Mertens氏)。

 一例として、詳細な研究で不均一性の問題が明らかになった。そして、業界でこの不均一性の問題を徐々に認めるようになったのはここ5年ほどであり、メガソニック洗浄をさらに調査する試みが始まったばかりだ。

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