Inside China

市況の減速は中国のIC設計業が大きくなるチャンス

Semiconductor International China

[2008年02月号]

By 姚鋼
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 2001年以来、中国のIC設計業は、常に前年比50%増前後という高い平均成長率を保持しており、先頃開かれた中国半導体同業組合集積回路設計分会(中国半導体行業集成電路設計分会:Zhongguo Bandaoti Hangyexiehui Jichengdianlu Sheji Fenhui)の2007年度大会においても、2007年の中国のIC設計業の成長率は同14%前後になると予想されている。中国半導体同業組合集積回路設計分会理事長の王芹生(Wang Qinsheng)氏は、「中国でも世界でも、ファブレスによる売上高が、いずれも集積回路産業の総売上高の20%を占めている。しかし、絶対値で言えば、中国の集積回路設計業はまだ発展途上国レベルであり、中国大陸のIC設計業界全体の総売上高は、米QUALCOM社1社の売上高を下回っている。つまり、格差が存在するのである」と述べている。

大企業の構造配置がほぼ形成されている

表 2007年の中国のファブレスによる売上高トップ10企業予想
(データ出典:IC設計分会)

 2006年の中国大陸におけるIC設計業の総売上高は234億元であり、Qinsheng氏は、2007年の売上高は267億元で、売上高が5000万元を上回る企業は50社近くにのぼり、営業総額は182億元で、中国大陸の集積回路設計業の営業総額の約68%を占めると予測している。このことから、中国大陸のIC設計業界においては、すでに大企業を主導とする産業構造がほぼ形成されていることがわかる。

 現在、世界第1位のIC設計会社の売上高は40億米ドル、中国台湾のIC設計会社最大手の売上高は16億米ドルであるが、中国大陸の設計会社の売上高の最高は1億6000万米ドルである。

 2006年には、中国の集積回路産業の総売上高は1000億元の大台を突破したが、国内市場の莫大な需要を満たすには遥か及ばず、中国の集積回路輸入額は1000億米ドルを超えている。Qinsheng氏は、「巨大であると同時に極めて融通性があり、個性と時代のニーズを映し出しているこのような市場に対応することにおいて、集積回路設計は、歴史的発展の重責を担っている」と述べている。

 現在のIC設計業の大企業構成では、中国国内のファウンドリ業に対するサポート的役割も明らかである。IC設計分会の2007年1月〜6月の統計によると、設計会社の中国大陸におけるチップ投入量は、すでにファウンドリの生産能力の30〜50%を占めており(各企業によって量は異なる)、ファウンドリの生産能力に占める最高比率は90%以上に達している。その内訳は、設計会社の200mm生産ラインにおける投入合計が52万8600枚で、生産量(または生産能力)171万1500枚の30.9%、その他の生産ラインにおける投入合計が11万9900枚で、総生産量(または生産能力)の68.7%となっている。

自社IPはIC設計のトップ企業が競う重要な手段
 2007年は、IC設計業の成長スピードはダウンしたものの、平均利益率は依然として12%前後を保持しており、IC製品の大幅な値下がりや人民元の切り上げ、高い税率を背景にして利益水準を下げずにキープできるという点は(人民元が1%上昇すると、電子産業の利益は8%下がると言われている)、中国のIC設計会社にとっての最大の進歩である。その理由は、主に自社IPの増加にある。Qinsheng氏は、そのテーマ報告の中で、多くの自主的イノベーションの成功例を挙げている。

 上海智多(Zhiduo)微電子は、インテリジェント携帯電話プラットフォーム「NX200」を発売し、従来のSoCにソリューション・オン・チップという新たな意味を与えた。福州瑞芯(Fuzhou Ruixin)は現在、フラッシュメモリー、LCDコントローラなど8件の自社知的財産権のIPを所有しており、設立初年度から利益を出している。

 従来のメモリー分野では、芯技佳易(Giga Device)公司が、独自の特許技術と集積回路の生産プロセスエンジニアリングを密接に結合させてイノベーション設計を行い、小面積低電力のSRAM、DRAM、フラッシュメモリーのIPモジュール組込サービスを登場させて、多くの設計会社やファウンドリにWin-Winのチャンスを提供し、新たな応用市場を切り開いた。

 杭州士蘭は、SoC設計技術を利用して、ブルーレイディスク関連のチップを開発中であり、また高速多チャンネルの画像監視システムを開発し、自社で開発した8ビットのMCUと24ビットのDSPを超低電力のモバイルテレビに応用し、また自社で構築した設計及び工程プラットフォームを利用して、AC/DC-DC/ACハイエンド電源管理ICやパワーLEDドライバICなどを開発している。

 北京多思(Duosi)は、自主的イノベーションによるMISC技術を利用して、論理構造の再構成が可能なチップの設計及び投入を完成させた。清華同方(Qinghua tongfang)と復旦(Fudan)微電子のRFID製品は、それぞれ2008年の北京オリンピックと上海のスペシャルオリンピックスの「入場券」に採用されている。国微(Guowei)の埋込型CPUは、2900万米ドルのリスク投資の導入に2度成功して、デジタルテレビの分離型カードチップと通信チップを開発しており、前者はすでに60万個が欧州市場に販売されている。

 杭州国芯(Guoxin)と蘇州国芯(Suzhou guoxin)は、それぞれ米Motorola社の「C-Core」を利用して、DVB-C及びDVB-Sのアプリケーション製品を開発しており、販売数量はそれぞれ100万枚と600万枚に達している。ビジネスモデルのイノベーションでは、海思(Haisi)はベースバンド高速データチップの設計において、米Texas Instruments社と提携して65nmプロセスに参入し、「より大規模な競争に共同で参入すること」、「Win-Winの関係を築くこと」という新しいビジネスモデルを生み出した。成都華微(Chengdu Huawei)公司は、製品開発の過程で、無錫上華(Shanghua)公司のプロセスとの密接な結合を行っている。

調整下のチャンス
 中国半導体同業組合理事長の兪忠鈺(Yu Zhongyu)氏は、「今年上半期の中国のIC設計業は、急成長を続ける企業がある一方で、リーダー企業の中には利益水準が下がっている所もある。しかし、産業の成長過程で波が現れるのは正常な現象であり、企業は利益を中心としなければならないが、毎年、高い成長を求めることはできない。ここ数年の集積回路設計業の発展は、そのかなりの部分がSIMカードやIDカードの牽引によるものなので、我々は新たな成長点を開拓する必要がある」と述べている。珠海炬力の董事長李湘偉(Li Xiangwei)氏も、「MP3プレーヤ市場の需要が弱まっているので、会社はかなり大きな壁に直面している」と打ち明けている。

 台湾創意(Chuangyi)電子のCEOは、半導体プロセスエンジニアリングはすでに限界に近づいており、業界では材料技術におけるブレイクスルーが期待されていると述べている。現在、世界では90nm技術の採用が主流であり、65nmのプロジェクトも100件以上あり、いくつかの企業はすでに45nm技術に踏み込んでいる。しかし、中国本土の企業では、現在のところ、90nmや65nmのプロジェクトさえ非常に少ないため、中国の設計会社は、世界トップクラスの企業と提携して、自身の技術能力を大幅に引き上げなければならない。

 Qinsheng氏は、現在の国内のIC設計業に存在する問題も指摘している。つまり、多くの企業は、その自主的イノベーション能力が、急速に変化する市場のニーズに追いつかず、市場開拓のためにより多くの新製品を出していくことができないため、「昔の実績に頼った」製品で企業の生存を支えるしかない。そのため、低級な製品の雷同現象が多く見られ、価格戦が唯一の、そして最も低レベルな競争手段となっているのである。Qinsheng氏は中国国内のIC設計業に対して、中国本土の優位な領域、例えば中国政府調達やICカード、マルチメディア、アニメコミック文化、新型エネルギーなどの領域に立脚すること、国際化競争に積極的に参加し、国際市場を開拓することにより規模を大きくすること、そして本土の技術、製品及び応用基準を確立し、市場のイニシアチブを取ること、などの方向性を提示している。

 実際、中国のIC設計業界が長年の急成長を経て理性的な調整期に入ることは、企業が大きく、強くなり、競争力を増すことにとって、一つのチャンスでもある。例えば智多微電子が恒基偉業(Hengji Weiye)ソフトウェアグループを買収したり、珠海炬力が上海鉅泉(Juquan)を買収したり、士蘭微電子がESSを買収したりするといった企業間のM&Aの状況は、産業が急速に発展している時期には実現が難しいものである。

 税金が高すぎるのも、中国のIC設計業の急速発展に影響を与える制約要因である。2007年9月、国家税務総局は8つの業種の最新所得税率を公表したが、その中で、飲食業は8〜25%、卸売小売業は4〜15%であるのに対して、国の経済建設と国家の安全にとって戦略的な意味を持つ集積回路産業の所得税率は25〜33%という高さであった。Qinsheng氏は、「我々は、税の優遇政策面で、上記の2つの業界を上回らない所得税率を享受することを望んでいる。そのため、“新たな18号文書”が一日も早く発表され、すべての集積回路設計企業が、新文書の公布日から直ちに新しい政策による優遇を享受できることを希望する」と述べている。



漢高華威(Hangao Huawei)が新設した
プラスチック封止材工場が操業を開始

漢高華威のプラスチック封止材工場

 漢高華威電子有限公司が新設した電子プラスチック封止材工場が、先日、連雲港で正式に運営を始めた。新工場には事務エリアと生産エリアがあり、敷地面積は1.5万で、これにより漢高華威の電子プラスチック封止材の年間総生産能力は3万6000トンに達することになる。漢高の電子部門総裁は、「我々は、限られた時間の中で、計画から製品の組合せ、製品のアップグレードに至るまでのプロセスを実現し、工程要求を満たす最先端の電子材料とローカライズされたサポートを世界中のユーザーに提供することによって、生産能力と技術における保証を提供している」と述べている。

 漢高華威電子有限公司は、エポキシプラスチック封止材の配合特許を十数件所有しているので、漢高公司の電子プラスチック封止材の主要生産基地になると同時に、新製品の開発、材料の実用化、テスト、分析及び将来的技術の研究開発能力も備えている。漢高華威のプラスチック封止材は、ディスクリートデバイスやSOIC、QFP、BGA、CSP、POPなどのICパッケージを含む、主流製品から先端製品までの様々なデバイスパッケージに用いることができる。現在、同社にはOA化された11本のプラスチック封止材用生産ラインがあり、これは単体規模では世界最大のエポキシプラスチック封止材工場であり、ユーザーには世界のトップクラスの電子パッケージ会社が含まれている。

 漢高華威の前身は、純粋な本土企業の江蘇中電(Jiangsu Zhongdian)華威電子有限公司で、国内のエポキシプラスチック封止材の70%以上のシェアを占めており、2005年にドイツのヘンケルグループとの合弁会社となった。

Honeywellが電子材料部門の本部を上海に移転
 Honeywellは先日、スペシャルティマテリアルズグループの電子材料部門の国際本部を米国から上海へ移すことを発表した。同社CEOのDicciani氏は、「この数年で、電子材料部門の売上高の半数以上がアジアからもたらされるようになり、中国は発展速度が最も早い中心地域である」と述べている。Honeywellの世界副総裁兼中国地区CEOのShane Tedjarati氏は、Honeywellは2006年の中国での売上高において20%の成長を実現し、今年の売上高は約30%伸びる見込みであり、中国がHoneywellのすべての海外市場の中で、同社の国際業績の増加に対する貢献度が最も高い市場になりつつあることを明らかにした。

 電子材料の国際本部は、年明けにそのすべての機能を実現する予定であり、その時点で、今いるエグゼクティブが全員上海に移ると同時に、アジアで多くの人材を招聘してグループを充実させる。Honeywellはすでに、趙在熏(Zhao Zaixun)氏をスペシャルティマテリアルズグループの電子材料部門のアジア太平洋地区総裁に任命している。聞くところによると、上海にあるHoneywellのアジア太平洋技術センターは現在増築中であり、増築後は実験室の面積が2倍になるとのことである。

 Honeywellの電子材料部門は、主として半導体製造業に必要な電気化学品、金属及びその他の材料を提供している。また、半導体の製造、パネルディスプレイ、光電、LED及びプリントエレクトロニクス製品分野では、絶縁、平坦化、間隙充填、光管理、化学的混和、エッチング、洗浄、金属化、検査、熱管理、電気相互接続などのソリューションを提供する。

国巨(Guoju)が蘇州に
世界最大の受動部品生産基地を建設

国巨の受動部品第2工場

 大陸での経営10周年に際し、国巨(Yageo)公司は蘇州第2工場の落成式を行い、かつその第2工場の第二期プロジェクトの定礎を行った。2008年2月に第二期工場が完成すると、国巨蘇州は世界最大の受動素子の生産基地となり、抵抗器チップ及び多層チップコンデンサーの月産量は、それぞれ360億個と110億個を突破する。

 1977年に台湾で設立された国巨公司は、1996年に正式に大陸市場に進出し、1997年に蘇州に一つ目のチップコンデンサー(R-chip)工場を設立し、また2003年末には蘇州で多層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産を開始した。現在、蘇州での月産能力は、それぞれ230億個と50億個を突破する規模となっている。今のところ、国巨は中国最大のコンデンサーチップのベンダーであり、市場シェアは39%に達している。また、多層チップコンデンサー(MLCC)ベンダーとしてもトップ3に入っており、多層チップコンデンサーの市場シェアは19%に達している。今後3〜5年で、国巨の大陸での売上高が会社の総収入に占める割合は、70%を突破すると予想されている。

 国巨の董事長である陳泰銘(Chen Taiming)は、「当社の台湾工場を計算に入れた場合、2008年の国巨の世界におけるコンデンサーチップ及び多層チップコンデンサーの月産量は、それぞれ33%及び51.7%も激増し、440億個及び220億個を実現する。技術レベルでは日本の同類製品に引けを取らない高容量製品が、この成長を後押しする主な原動力である」と指摘しており、また「蘇州第二工場の第一期プロジェクトは、世界でも最大規模の受動部品の後段生産ラインであり、第二期プロジェクトでは、さらにチップ抵抗及び多層セラミックチップコンデンサーの生産が始まり、製品は少なくとも0201規格をクリアすることができる」と表明している。



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