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SEMの将来性とは?

[2008年02月号]

By Alexander E. Braun
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図 Heイオン顕微鏡による、半導体デバイス断面図の層間ボイドの画像
(出典:独Carl Zeiss SMT社)

 測定技術におけるCD-SEMの重要性は過大評価されることはない。しかし、現在のCD-SEMは1000eV〜数100eVのエネルギー間での稼動に限られているようだ。なぜなら、帯電を最小化し、レジスト・シュリンクを制限しながら、最良のビーム相互作用が起きるのが、そのエネルギー範囲だからである。

 何百nmという大きさの構造では、このことは関係なかった。しかし、今や構造は数十nmへ微細化し、そのことが問題を引き起こしている。たとえば、低エネルギーの電子波長は数100eVでは大きくなり、1Åにかなり近くなる。その結果、回折効果は制御されなければならない、そうでないとビームスポットサイズに影響が生じる。電子源の自然エネルギーの広がりから生じる色収差は、より重要である。ここで、異なるエネルギーの電子は異なる面に焦点が合う。3keV以下では、スポットサイズに対する色収差効果が非常に重要である。

 回折を最小化するにはビームの収束角度を大きく保つ必要がある。ただ、色収差効果を下げるには収束角度を小さくしなければならない。これら相反する要件を最も調整するのは、1keV以下で解像度を数nmに制限することだ。電子源のエネルギーの広がりが減少すれば、解像度は向上する。新しい電子源の中にはレーザー駆動で、従来の電界放射型電子銃(Field Emission Gun)の約1/10の広がりを持つものがある。しかし、おそらく、その利点も技術的取り組みを正当化するには不十分だろう。

 別の有力な選択肢として収差補正がある。SEMの収差補正装置は、収差をゼロ、あるいはプラスまたはマイナスの数値に設定できる。これは、理論限界性能を達成するため、ガラス光学系と同様のオプションを可能にする。これは、1keVでのプローブサイズを1nm以下に抑え、同時により多くのビーム電流を得ることが可能であるため、将来有望に見える。しかし、収差補正装置は48個または64個の能動光学素子を持つ複雑な装置であり、それらすべてが最適化されなければならず、性能を維持するために相当量の計算力が必要である。重要な問題としては、収差補正顕微鏡では被写界深度は非常に小さい(1nmもしくは2nm)。

 米テネシー大学とオークリッジ国立研究所Center for NanoPhase Materials Scienceの教授David C. Joy氏は、これらは誤解されやすいと説明する。「米SEMATECHのプロジェクトで行った測定により、我々は、適切な条件下では放射線障害は管理可能だと判断した。特に、標準的な技術では、機能している構造ではなく切断面にあるものを観察するからである」。

 これは新しい技術を必要としないので将来有望なシナリオであり、必要なパラメータを満たし、1keVや100eVではなく50keVまたは100keVで機能する顕微鏡をすぐに作り出すことが可能となる。半導体デバイスと最高400keVのSEMエネルギーを使って米IBM社で行われた研究では、従来の技術では近づけなかった解像度レベルを維持しながら、低エネルギーでは不可能な、デバイスの深度断面図を作成した。

 しかし、Joy氏は、最も興味深い選択肢は電子ではなくHeイオンを使うことかもしれないと考える。「Heイオンは短波長なので回折限界がない。Heイオンの範囲は電子ビームのそれよりずっと小さく、電子源を明るくする非常に高いエネルギーで使用できる」。「イオン誘起2次電子収率は、信号で作られた2次電子のそれより少なくとも10倍高い。S/N比(信号対雑音比)が優れており、我々が行ったモデリングや我々が作成した初期データによると、2次電子脱出深さ(2次電子の軌道)は、電子誘起よりイオン誘起2次電子の方が低い。エッジ位置を確認する能力は3〜4倍向上する」。

 つまり、ナノメートル以下でのイオン誘起2次電子の画像処理は可能のはずである。しかし、(現在CD-SEMは基本的なパラメータによって制限されているが)イオン技術が現在のCD-SEMレベルまで近づくにはまだ長い道のりがある。



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